ホーム スポーツ 【1】DHとは野球で何の略?指名打者の意味と役割をわかりやすく解説

【1】DHとは野球で何の略?指名打者の意味と役割をわかりやすく解説

阿澄 雫 阿澄 雫 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次
DHは「Designated Hitter」の略称

DHは「Designated Hitter」の頭文字を取った略称です。日本語では指名打者と訳され、野球において投手の代わりに打撃を担当する選手を指します。

通常の野球では、投手も守備だけでなく打撃に参加します。しかし、DH制を採用すると、投手とは別の選手を打順に組み込み、攻撃時にはその選手が打席に立ちます。

つまり、DH制では次のように役割が分かれます。

- 投手:相手打線を抑えるために投球する。
- DH:投手に代わって打撃を担当する。
- その他の野手:守備と打撃の両方を担当する。

DHは守備を基本的に担当しないため、打撃能力を重視した選手起用が可能です。

指名打者の仕事内容は?

DHの主な仕事は、チームの得点力を高めることです。

具体的には、次のような役割を担います。

1. 長打による得点機会の創出

ホームランや長打を打てる選手をDHに起用すれば、得点力の強化につながります。

2. チャンスでの打撃

走者がいる場面で適切な打撃を行い、打点を挙げることも重要な役割です。

3. 投手の負担軽減

投手が打席に立つ必要がなくなるため、打撃や走塁による疲労、負傷のリスクを抑えられます。

4. 選手の能力を生かした起用

守備面に課題があっても、打撃に優れた選手を試合に出しやすくなります。

ただし、DHは単にホームランを打つだけのポジションではありません。出塁率や得点圏での対応力など、チームの攻撃方針に合った能力が大切です。

DHと投手の違い
比較項目 DH(指名打者) 投手
主な役割 打撃 投球
打席 原則として立つ DH制では原則立たない
守備 原則として就かない マウンドを担当
主な評価 打率・本塁打・打点・出塁率 防御率・勝利数・奪三振
起用目的 攻撃力の強化 相手打線の抑制

DHは投手の代わりに打つ選手ですが、投手そのものではありません。攻撃と守備の役割を分離する仕組みが、DH制の基本です。

【2】DH制とは?公認野球規則5.11の基本ルールと交代の仕組み

dhとは野球

DH制は、公認野球規則5.11に定められています。

この規則では、指名打者の登録、打順、代打・代走との関係、守備位置の変更などが細かく規定されています。

日本高等学校野球連盟が2026年度の導入に向けて公開した規則解説でも、具体的な試合状況を想定した運用方法が示されています。

① DHは試合開始前に決める

DHを使用する場合、試合開始前に提出する打順表に指名打者と打順を記載しなければなりません。

ここで注意したいのは、DH制は必ず使わなければならない制度ではないという点です。

チームはDHを使わない選択もできます。

ただし、試合開始時にDHを使わなかった場合、途中から新たにDHを導入することはできません。

② DHに代打を送ることができる

DHの打席に代打を送ることは認められています。

この場合、代打として出場した選手が新しいDHになります。

つまり、元のDHが交代したからといって、必ずしもDH制そのものが終了するわけではありません。

③ DHに代走を送ることもできる

DHが出塁した後、代走を起用することも可能です。

その場合、代走者がDHの役割を引き継ぎます。

④ DHは守備に就くこともできる

DHが守備位置に入ること自体は禁止されていません。

しかし、DHが守備に就いた時点で、独立したDHの役割は消滅します。

その後は通常の9人制と同様の打順構成になり、投手も打順に組み込まれます。

⑤ DHの打席には最低1度の打撃完了義務がある

試合前に打順表へ記載されたDHは、相手の先発投手に対して少なくとも1度は打撃を完了する必要があります。

これは、試合開始時だけDHに登録して、実際には別の選手を出場させるような起用を防ぐためのルールです。

ただし、相手の先発投手が交代した場合は、この義務の例外となります。

これらの基本事項は公認野球規則5.11(a)に基づくものです。

【3】DHあり・なしの違いは?セ・リーグとパ・リーグの歴史を比較

日本のプロ野球では、長年にわたってセ・リーグとパ・リーグでDH制の有無が異なっていました。

この違いは、試合の戦術や選手の起用方法に大きく関係しています。

パ・リーグは1975年からDH制を導入

パ・リーグがDH制を正式に採用したのは1975年です。

当時は打撃力の向上や試合の魅力を高めることなどが導入の背景にありました。

一方、セ・リーグは投手も打席に立つ「9人野球」を伝統として維持してきました。

そのため、同じ日本のプロ野球であっても、リーグによって異なる野球が見られたのです。NPBコミッショナーの公式コメントでも、1975年以来、両リーグが異なるルールで運営されてきた経緯が説明されています。

DHあり・なしの違いを一覧で比較
比較項目 DHあり DHなし
打順 DHを含む10人 9人
投手の打撃 原則なし あり
打撃専門選手 起用できる 独立したDH枠はない
投手への代打 原則不要 戦術として重要
交代戦術 DHの交代規則がある 投手交代と代打が密接
攻撃の特徴 打撃力を維持しやすい 投手の打席も戦術に関係する

※DHありの場合も、守備に就く選手は投手を含めて9人です。DHを加えることで、打順に10人が並びます。

日本野球におけるDH制度の主な転換点
年 出来事 制度上の意味
1973年 MLBア・リーグがDH制導入 米国で制度が始まる
1975年 NPBパ・リーグが導入 日本プロ野球で採用
2022年 MLBナ・リーグも導入 MLB全体で制度統一
2025年8月4日 セ・リーグが導入を正式決定 2027年からの採用を発表
2026年度 高校野球でDH制導入 高校野球の新制度がスタート
2027年 セ・リーグでDH制導入予定 NPBの両リーグがDH制に統一

この年表から分かるように、日本のプロ野球はパ・リーグが先行し、セ・リーグが約半世紀遅れて制度を統一する流れになりました。

米国では1973年にア・リーグ、2022年にナ・リーグがDH制を採用しています。日本でも高校・大学野球を含めて導入が進んだことが、セ・リーグの方針転換に影響しました。

DHと代打の違いは?

DHと代打は、どちらも打撃を担当する選手ですが、役割が異なります。

DHは試合開始時から打順に組み込まれる選手です。

一方、代打は試合中に特定の打者と交代して打席に立つ選手を指します。

例えば、DHとして登録された選手が調子を落とした場合、監督は代打を送ることができます。

その代打者が、以降のDHの役割を引き継ぎます。

このように、DHは打順上の役割、代打は選手交代の方法と理解すると違いが分かりやすくなります。

【4】DH制のメリット・デメリットは?導入で野球はどう変わる?

DH制は攻撃力を高める制度として知られていますが、すべての面でメリットだけがあるわけではありません。

導入によって変わるのは、単なる打順だけではなく、選手編成や監督の采配にも及びます。

DH制のメリット

1. 攻撃力を高められる

投手の打席に代わって打撃能力の高い選手を起用できるため、打線全体の強化につながります。

2. 投手の負担を軽減できる

投手は投球に集中しやすくなります。打撃や走塁による疲労を減らせることも利点です。

3. 打撃専門選手の出場機会が増える

守備力に課題があっても、打撃能力が高い選手を試合に起用できます。

ベテラン選手や守備負担を抑えたい選手にとっても、出場機会を確保しやすくなります。

4. 選手起用の選択肢が広がる

監督は投手の交代とは別に、DHの打順を調整できます。

打線の特徴に応じた編成が可能になる点も大きなメリットです。

DH制のデメリット

1. 投手の打撃を見る機会が減る

DHなしの試合では、投手が打席に立つことも野球の見どころです。

送りバントや意外性のある安打など、投手の打撃が試合の流れを変える場面もあります。

DH制では、こうした場面が基本的に見られなくなります。

2. 選手編成の競争が変わる

DH専任の打撃力が高い選手を確保する必要があるため、チームの補強方針が変わります。

3. 監督の采配の性質が変化する

DHなしでは、投手の打順が近づいたときに代打を送るか、投球を続けさせるかという判断が重要です。

DHありでは、この判断が基本的に不要になります。

つまり、DH制は戦術を単純に増やすだけでなく、従来の野球にあった判断の一部を別の選手起用へ置き換える制度でもあります。

DH制が向いているチーム・向いていないチーム

DH制の恩恵を受けやすいのは、打撃に優れた選手を多く抱えるチームや、投手の負担を抑えたいチームです。

一方、投手の打撃を含めた戦術や、守備と攻撃の総合力を重視するチームにとっては、従来の9人野球にも独自の魅力があります。

重要なのは、DH制の有無だけでチームの強さが決まるわけではないということです。選手層や戦術、育成方針との相性によって、その効果は変わります。

【5】大谷ルールとは?投手兼DHの仕組みとDH解除の注意点

DH制を理解するうえで欠かせないのが、いわゆる「大谷ルール」です。

これは、投手とDHを同じ選手が兼任できる特例を指します。

大谷ルールとは何か

通常のDH制では、投手とDHは別々の選手です。

しかし、公認野球規則5.11(b)では、試合開始時に先発投手自身をDHとしても登録することが認められています。

このルールを活用すれば、投手としてマウンドに立ちながら、打者としても打席に立つことが可能です。

代表例が、MLBで二刀流として活躍する大谷翔平選手です。

大谷ルールの大きな特徴は、投手とDHの役割を別々に考えられる点です。

例えば、先発投手兼DHの選手が投手として降板しても、DHとして打席に立ち続けることができます。

反対に、DHとしての出場を終えても、投手として試合に残ることが可能です。

ただし、一度退いた役割に再び戻ることはできません。

また、通常の救援投手が途中から投手兼DHになるという意味ではありません。規則5.11(b)は、試合開始時の先発投手に関する特別な仕組みです。

DH解除とは?

DH解除とは、試合中にDHの役割が消滅し、投手も含めて通常の打順に戻ることです。

公認野球規則5.11では、次のような状況でDHが消滅します。

- DHが守備位置に就いた場合
- 投手がマウンドから別の守備位置に移った場合
- 野手が投手になった場合
- 投手がDHの代打または代走になった場合
- 代打者や代走者がそのまま投手になった場合

DHが解除されると、独立したDH枠はなくなります。

その後、再びDHを設定することはできません。

DH解除と選手交代の具体例

例えば、チームが次のような選手構成で試合を始めたとします。

- 投手:A選手
- DH:B選手
- 外野手:C選手

途中でB選手を外野の守備に就かせる場合、DHは消滅します。

投手A選手は、B選手が入った守備位置の選手の打順を引き継ぐことになります。

つまり、単にDHを守備に移動させるだけでは済最初に、打順全体の調整が必要になるのです。

DH制では選手交代の自由度が高い一方、守備位置の変更によって制度そのものが消滅するケースがあるため、監督の判断には注意が大切です。

【6】2026年最新!高校野球のDH導入とセ・リーグ2027年の変更点

2026年は、日本野球のDH制度にとって大きな転換期です。

特に注目されているのが、高校野球への導入とセ・リーグの正式採用です。

高校野球は2026年度からDH制を導入

日本高等学校野球連盟は、2026年度シーズンインから高校野球でDH制を採用しました。

高校野球では、選手層や交代要員に限りがあるチームも少なくありません。

DH制によって、投手が打撃を担当する負担を減らせるほか、打撃能力の高い選手に出場機会を与えやすくなります。

また、指名打者を使用するかどうかはチームが選択できます。

そのため、チーム事情に応じた起用が可能です。

日本高等学校野球連盟は、公認野球規則5.11の解説ページで、試合開始前の申告方法やDHの交代、投手兼DHの運用などを具体的に説明しています。

セ・リーグは2027年からDH制を正式採用

2025年8月4日、セ・リーグはリーグ理事会で2027年シーズンからのDH制導入を正式決定しました。

導入を決めたのは、巨人、ヤクルト、DeNA、中日、阪神、広島の6球団です。

これまでセ・リーグがDH制を採用しなかった背景には、投手も打席に立つ9人野球の伝統がありました。

しかし、MLBの制度統一や高校・大学野球でのDH制導入など、野球界を取り巻く環境が変化しています。

NPBの公式発表では、国際的な野球の潮流やアマチュア球界の動向を踏まえ、制度を発展的に見直す方針が示されました。

2026年はセ・リーグ最後の9人野球のシーズン

2026年シーズンは、セ・リーグにとってDH制導入前の最後のシーズンとなりました。

NPB公式記録員の2026年9月25日付コラムでも、投手が打席に立つ機会は基本的に2026年シーズンまでになると説明されています。

長年続いてきたセ・リーグの9人野球が一区切りを迎えることは、プロ野球の歴史においても大きな出来事です。

2027年以降は、セ・パ両リーグでDH制が採用されるため、交流戦などでリーグによるルールの違いを意識する必要もなくなります。

【7】DHとは野球の何を変える制度なのか?プロの結論

DH制は、単に投手の代わりに別の選手が打席に立つだけの制度ではありません。

選手の役割分担、チームの編成、監督の采配、さらには選手のキャリア形成にも関係する仕組みです。

特に重要なのは、DH制によって野球の攻撃と守備をより明確に分けられる点です。

これまで守備力を理由に出場機会が限られていた打撃型の選手にも、活躍の場が生まれます。

一方、DHなしの野球には、投手の打撃や代打をめぐる駆け引きという独自の面白さがあります。

どちらが優れているかという単純な比較ではなく、それぞれ異なる野球の楽しみ方を生み出す制度と捉えることが大切です。

2026年の高校野球導入、そして2027年のセ・リーグ導入によって、日本野球は新たな段階へ進みます。

DHとは野球に関するよくある質問(FAQ)

Q1:DHとは野球で何の略ですか?

A1:DHは「Designated Hitter」の略で、日本語では指名打者です。投手の代わりに打席に立ち、原則として守備には就かない選手を指します。

Q2:DHは守備をしないといけないのですか?

A2:いいえ。基本的にDHは打撃専門です。ただし、公認野球規則5.11に基づき、DHを守備位置に就かせることもできます。その場合、DHの役割は消滅します。

Q3:DHと代打は何が違いますか?

A3:DHは試合開始時から打順に登録される指名打者です。代打は試合途中に別の打者と交代して打席に立つ選手です。DHに代打を送った場合は、その代打者が新しいDHになります。

Q4:DH制はパ・リーグとセ・リーグのどちらにありますか?

A4:パ・リーグは1975年から採用しています。セ・リーグも2027年シーズンから導入することが正式決定しており、2026年は従来の9人野球が行われた最後のシーズンです。

Q5:高校野球でもDH制は使えますか?

A5:はい。日本高等学校野球連盟は2026年度シーズンからDH制を導入しました。使用する場合は試合開始前に申告する必要があります。

Q6:大谷ルールとは何ですか?

A6:公認野球規則5.11(b)に基づき、先発投手が投手とDHを兼任できる特例です。投手を降板した後もDHとして出場を続けられるため、二刀流選手の活躍を支える仕組みです。

Q7:DHは途中から追加できますか?

A7:できません。DHを使用する場合は試合開始前に打順表へ登録する必要があります。途中から新しくDHを導入することは認められていません。

DHとは、投手の代わりに打撃を担当する指名打者のことです。

公認野球規則5.11によって、登録方法や交代、代打・代走、守備への参加などが定められています。

最後に、要点を整理します。

- DHはDesignated Hitterの略称で、日本語では指名打者。
- 投手の代わりに打席に立ち、原則として守備には就かない。
- DHと代打は異なり、DHは試合開始時から打順に登録される。
- DHの守備参加や投手の守備位置変更などによってDHが解除される。
- 大谷ルールでは先発投手が投手とDHを兼任できる。
- パ・リーグは1975年からDH制を採用。
- 高校野球は2026年度からDH制を導入。
- セ・リーグは2027年シーズンからDH制を採用する。

2027年からはセ・パ両リーグでDH制が統一され、日本のプロ野球は新しい時代に入ります。

DHの基本的な意味だけでなく、交代や解除のルールまで理解しておけば、試合中の選手起用や監督の采配も、これまで以上に深く楽しめるはずです。

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家電メーカーの取扱説明書と省エネ基準、公的機関の安全基準を確認して記事化。使用感は実機を一定期間使った記録のみを掲載します。

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