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敢闘賞とは何を評価する賞?大相撲の選考基準・勝ち越し条件・賞金を2026年最新解説

藤堂 弦 藤堂 弦 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
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敢闘賞(かんとうしょう)とは、競技において果敢に戦い、強い闘志や積極的なプレーで優れた活躍を見せた選手に贈られる賞です。一般的には、勝敗だけでなく、最後まで諦めない姿勢や競技への貢献も評価の対象になります。大相撲では、殊勲賞・技能賞と並ぶ「三賞」の一つとして設けられています。

大相撲の敢闘賞には、関脇以下の幕内力士を対象とする基本条件や、勝ち越しとの関係、三賞選考委員会による審査など、独自の仕組みがあります。2026年11月現在の受賞状況、歴代最多受賞者、賞金の改定予定まで整理すると、単に勝ち星が多い力士に贈られる賞ではないことが分かります。

【基本知識】敢闘賞とは?意味と大相撲の三賞における位置づけ

敢闘賞とは
敢闘賞の意味は「闘志あふれる活躍への評価」

敢闘賞とは、文字どおり「敢えて闘う」という言葉に由来し、困難な状況でも積極的に戦い、優れた成果を残した選手を称える賞です。

スポーツ全般では、競技団体や大会の主催者によって評価方法が異なります。単純な勝敗だけでなく、攻撃的なプレー、粘り強さ、競技への貢献、観客を魅了するパフォーマンスなどが評価されることがあります。

大相撲では、敢闘賞は本場所を盛り上げた力士に贈られる三賞の一つです。

日本相撲協会の公式解説でも、敢闘賞は旺盛な敢闘精神を発揮して活躍した力士を対象とする賞として紹介されています。

つまり、単に15日間を戦い抜いたことへの表彰ではありません。相手に積極的に攻め込み、厳しい取組でも勝利を目指し、場所全体を通して印象的な相撲を見せたことが評価されます。

大相撲の三賞とは?

大相撲の三賞とは、次の3種類の賞を指します。

- 殊勲賞(しゅくんしょう): 横綱や大関、優勝力士などを破り、特別な功績を挙げた力士への賞。
- 敢闘賞(かんとうしょう): 闘志あふれる相撲で活躍し、本場所を盛り上げた力士への賞。
- 技能賞(ぎのうしょう): 優れた技術や巧みな相撲を披露した力士への賞。

三賞は、1947年の九州場所から始まった表彰制度です。戦後の大相撲を盛り上げ、力士の個性的な活躍を評価する目的で設けられました。

対象となるのは、原則として横綱・大関を除く関脇以下の幕内力士です。

幕内優勝とは別の表彰制度であるため、優勝しなくても三賞を受賞できます。また、同じ場所で複数の力士が同じ賞を受けることもあります。

【選考基準】敢闘賞の受賞条件と勝ち越しの関係を解説

敢闘賞を理解するうえで、特に重要なのが「勝ち越し」と「相撲内容」の2つです。

受賞の基本条件は関脇以下の幕内力士であること

三賞の対象となる基本的な条件は、次のとおりです。

1. 幕内に所属する力士であること。
2. 番付が関脇以下であること。
3. 本場所で勝ち越していること。
4. 敢闘賞にふさわしい活躍を見せていること。

大相撲の幕内は通常15日間の取組が組まれます。

このため、勝ち越しには原則として8勝以上が必要です。

例えば、次のような成績になります。

成績 判定 敢闘賞の対象
15勝0敗 15戦全勝 対象になり得る
12勝3敗 大幅な勝ち越し 対象になり得る
10勝5敗 勝ち越し 対象になり得る
8勝7敗 勝ち越し 基本条件を満たす
7勝8敗 負け越し 原則対象外

ここで注意したいのは、8勝すれば自動的に敢闘賞を受賞できるわけではないという点です。

勝ち越しは基本的な対象条件であり、実際の受賞には相撲内容や場所全体での活躍が問われます。

10勝以上なら必ず受賞できる?

10勝以上は敢闘賞を評価するうえで有力な実績ですが、絶対的な受賞基準ではありません。

例えば、平幕の力士が横綱や大関といった上位陣を相手に積極的な相撲を取り、優勝争いに絡む活躍を見せた場合、成績と相撲内容の両面から評価されます。

反対に、10勝以上を挙げても、敢闘賞にふさわしい活躍として評価されなければ受賞しない可能性があります。

選考では、次のようなポイントが考慮されます。

- 攻撃的で積極性のある相撲を取っているか。
- 上位力士との対戦で存在感を示したか。
- 優勝争いを盛り上げる活躍をしたか。
- 場所を通じて安定した成績を残したか。
- 相撲内容に観客を引きつける魅力があったか。

つまり、勝ち星は重要ですが、それだけで評価が決まるわけではありません。

三賞選考委員会はどのように決める?

敢闘賞の受賞者を決定するのは、三賞選考委員会です。

選考には、日本相撲協会の審判部関係者、相撲記者クラブ員、溜会関係者などが関わります。

日刊スポーツが2024年1月場所の選考会を報じた際には、協会関係者6人、溜会関係者3人、記者クラブ員18人の合計27人が出席していました。

選考委員会では、候補となる力士の成績や取組内容などを踏まえて受賞者を決めます。

ここで知っておきたいのが「条件付き受賞」です。

三賞選考委員会は千秋楽の取組がすべて終わる前に開かれるため、最終成績が確定していない力士が候補になる場合があります。

例えば「千秋楽に勝てば敢闘賞」という条件が付くケースです。

その力士が勝てば受賞が確定し、負ければ受賞できません。

2026年9月場所でも、条件付きの候補が設けられた一方、最終的に正式な敢闘賞受賞者となったのは藤ノ川と美ノ海でした。

【徹底比較】敢闘賞・殊勲賞・技能賞の違いは?

三賞は名前が似た表彰制度ですが、それぞれ評価するポイントが異なります。

大切なのは、どのような実績が評価されたのかを区別することです。

賞の名称 評価の中心 主な評価対象 敢闘賞との違い
敢闘賞 闘志・積極性 攻撃的な相撲、優勝争いへの貢献、場所全体での活躍 闘う姿勢と総合的な活躍を評価
殊勲賞 特別な功績 横綱・大関や優勝力士を破るなどの実績 誰を破ったか、勝利の価値を重視
技能賞 技術力 多彩な技、巧みな攻め、優れた相撲技術 どのような技術で勝ったかを重視
敢闘賞と殊勲賞の違い

殊勲賞は、特に価値のある勝利を挙げた力士に贈られます。

代表的なのは、横綱や大関を破った場合です。

また、その場所の優勝力士を倒すなど、優勝争いに大きな影響を与えた実績も評価対象になります。

一方、敢闘賞は特定の相手を倒したことだけに限定されません。

例えば、上位陣との対戦を含めて積極的な相撲を取り、二桁勝利を挙げて優勝争いに加わった力士は、敢闘賞の有力候補になります。

殊勲賞は勝利の価値、敢闘賞は闘志と場所全体の活躍という違いを押さえると理解しやすくなります。

敢闘賞と技能賞の違い

技能賞は、力士の技術的な能力を評価する賞です。

例えば、次のような要素が注目されます。

- おっつけや差し手などの基本技術。
- 相手の体勢を崩す巧みな攻め。
- 多彩な決まり手。
- 体格差を補う技術や取り口。
- 安定した技術による勝利。

敢闘賞の場合は、技術の巧みさそのものよりも、積極的に攻める姿勢や本場所での存在感が評価の中心になります。

もちろん、実際の取組では両方の要素が重なることもあります。

そのため、一人の力士が同じ場所で複数の三賞を受賞することもあります。

【2026年最新】敢闘賞の受賞者と大相撲の最新動向

2026年11月3日時点で、2026年の本場所は9月場所まで終了しています。

2026年の敢闘賞は、1月から9月までの5場所で延べ11人が受賞しました。

場所別の受賞者と成績を整理します。

2026年1月場所

- 霧島:11勝4敗
- 熱海富士:12勝3敗

霧島は関脇として11勝を挙げ、熱海富士も12勝3敗という好成績を残しました。

2026年3月場所

- 琴勝峰:11勝4敗
- 藤青雲:10勝5敗

琴勝峰は11勝、藤青雲は10勝を記録し、いずれも勝ち越しを大きく上回る成績で敢闘賞を受賞しました。

2026年5月場所

- 義ノ富士:11勝4敗
- 伯乃富士:11勝4敗

両力士とも11勝4敗を記録しました。

義ノ富士は新入幕の2025年名古屋場所以来となる敢闘賞の受賞で、2回目の獲得となりました。

2026年7月・名古屋場所

- 熱海富士:12勝3敗
- 琴栄峰:11勝4敗
- 高安:11勝4敗

この場所では3人が敢闘賞を受賞しました。

熱海富士は12勝3敗と優勝争いで存在感を示し、琴栄峰は初めて三賞を獲得。高安は7回目の敢闘賞となりました。

特に高安は、長年にわたって安定した成績と力強い相撲を残している点でも注目されます。

2026年9月・秋場所

2026年最新の確定結果

- 藤ノ川:11勝4敗
- 美ノ海:10勝5敗

9月場所では、藤ノ川と美ノ海の2人が敢闘賞を受賞しました。

藤ノ川は関脇として11勝4敗を記録。美ノ海も前頭3枚目で10勝5敗という成績を残しています。

特に藤ノ川は、横綱・大関陣との対戦でも存在感を示し、9月場所の三賞選考で評価されました。

この場所は殊勲賞と技能賞が該当者なしとなっており、三賞の中でも敢闘賞が2人に贈られています。

日本相撲協会の公式成績では、両力士の受賞が確認できます。

2026年11月場所の敢闘賞は?

2026年11月場所は、11月8日から11月22日まで福岡国際センターで開催される予定です。

11月3日時点では本場所が始まっていないため、敢闘賞の受賞者は決定していません。

千秋楽の選考結果が出た段階で、2026年の年間受賞者に新たな記録が加わります。

【賞金事情】敢闘賞はいくらもらえる?2027年からの増額も解説

敢闘賞の賞金は、殊勲賞・技能賞と同額です。

2026年11月現在の賞金は、1賞につき200万円となっています。

ただし、2026年7月30日に日本相撲協会が重要な賞金改定を発表しました。

2027年1月場所から300万円に増額

日本相撲協会は、2027年1月の初場所から三賞の賞金を200万円から300万円に引き上げることを決定しました。

つまり、敢闘賞の賞金は100万円増額されます。

項目 2026年まで 2027年1月場所から
殊勲賞 200万円 300万円
敢闘賞 200万円 300万円
技能賞 200万円 300万円
幕内優勝賞金 1,000万円 2,000万円

今回の改定は1994年以来、33年ぶりです。

幕内優勝賞金も従来の1,000万円から2,000万円へと倍増します。

日本相撲協会は力士の待遇改善を目的としており、賞金だけでなく給与や手当の増額も発表しています。

物価上昇や他競技との比較なども背景にあり、力士の努力や実績に対する待遇を見直す動きとして注目されています。

したがって、2026年中に敢闘賞を受賞した力士には200万円、2027年1月場所以降の受賞者には300万円が適用されることになります。

【歴代記録】敢闘賞の受賞者と最多受賞力士は誰?

敢闘賞の歴代受賞者を振り返ると、時代を代表する力士が数多く名を連ねています。

歴代最多受賞は貴闘力の10回

2026年9月場所までの記録では、敢闘賞の最多受賞者は元関脇の貴闘力です。


1位:貴闘力

10回


元関脇・歴代最多
貴闘力は1990年9月場所に初めて敢闘賞を受賞し、2000年3月場所までに計10回獲得しました。


2位:安芸乃島

8回


元関脇
長年にわたって幕内上位で活躍し、敢闘賞を8回受賞しました。


3位グループ:高安・魁傑・旭天鵬・福の花

7回


各力士の受賞回数
現役力士の高安も、2026年7月場所の受賞によって7回に到達しています。

歴代受賞記録から分かる興味深い事実

敢闘賞には、成績や年齢に関する特徴的な記録もあります。

- 最年少受賞: 貴花田(後の貴乃花)。1991年3月場所で18歳7か月、12勝3敗を記録。
- 最年長受賞: 旭天鵬。2014年11月場所で40歳2か月、10勝5敗を記録。
- 1場所の最多受賞者数: 2023年7月場所の6人。
- 敢闘賞の該当者なし: 1947年11月場所から2026年9月場所までの447場所中18場所。

これらの記録から、敢闘賞は若手の勢いを評価するだけの賞ではないことが分かります。

ベテラン力士が経験を生かして好成績を残した場合も、若手が番付を駆け上がる勢いを見せた場合も、評価の対象になります。

また、敢闘賞は三賞の中でも比較的多くの力士に授与されており、該当者なしになる場所が少ない賞でもあります。

ただし、候補者がいれば必ず受賞者を出す制度ではありません。選考委員会がふさわしい力士はいないと判断すれば、該当者なしとなります。

【FAQ】敢闘賞に関するよくある質問

Q1:敢闘賞は何勝すれば受賞できますか?

8勝以上の勝ち越しが基本条件です。ただし、8勝すれば自動的に受賞できるわけではありません。10勝以上などの好成績に加え、積極的な相撲や場所全体での活躍が評価されます。

Q2:敢闘賞は優勝しなくても受賞できますか?

はい。敢闘賞は幕内優勝とは別の表彰制度です。優勝しなくても、闘志あふれる相撲と優れた成績を残せば受賞できます。

Q3:敢闘賞の賞金は2026年現在いくらですか?

2026年中は200万円です。2027年1月場所からは300万円に増額されます。

Q4:敢闘賞が該当者なしになることはありますか?

あります。選考委員会が受賞にふさわしい力士はいないと判断した場合、該当者なしとなります。

Q5:敢闘賞と殊勲賞を同時に受賞できますか?

可能です。評価基準が異なるため、一人の力士が複数の三賞を同時に受賞することもあります。

Q6:2026年の最新の敢闘賞受賞者は誰ですか?

2026年9月場所では、藤ノ川が11勝4敗、美ノ海が10勝5敗で受賞しました。11月場所の結果は、千秋楽後に決定します。

【プロの結論】敢闘賞は勝ち星だけでは測れない力士の価値を示す賞

敢闘賞とは、大相撲の本場所で闘志あふれる相撲を見せ、優れた活躍を残した力士に贈られる三賞の一つです。

受賞の基本条件は関脇以下の幕内力士で勝ち越すことですが、実際の選考では勝ち星の数だけでなく、取組内容や優勝争いへの貢献なども重視されます。

殊勲賞が特別な勝利を、技能賞が技術の高さを評価するのに対し、敢闘賞は力士の積極性と場所全体での奮闘を評価する賞です。

2026年は高安の7回目の受賞や、藤ノ川・美ノ海の活躍など、世代や番付を超えた力士の奮闘が目立ちました。

加えて、2027年1月場所から賞金が200万円から300万円に増額されることも決定しています。

敢闘賞を見る際には、単純に何勝したかだけでなく、誰と対戦し、どのような相撲を取り、場所全体にどのような影響を与えたのかにも注目してみてください。

敢闘賞の本質は、数字だけでは表せない力士の闘志と、土俵を盛り上げた活躍を評価することにあります。

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