中日ドラゴンズの外野手・鵜飼航丞は、2026年シーズンに54試合出場、打率.235、5本塁打、22打点を記録した。2025年は一軍30試合で打率.189、本塁打0に終わっていただけに、長打力を改めて示したシーズンとなった。特に6月10日のプロ初となる満塁ホームランは、持ち味であるパワーを印象づける一打だった。
一方、打率や出塁率には改善の余地が残り、レギュラー定着も実現していない。2026年11月現在は、山崎武司新打撃コーチの指導を受けながら、打撃フォームの見直しと選球眼の改善に取り組んでいる。中京大中京高校、駒澤大学を経て2021年ドラフト2位でプロ入りした鵜飼は、どこまで成長したのか。プロフィール、年度別成績、長打力、満塁弾、打撃の課題から現在地を整理する。
【2026年最新】鵜飼航丞は中日でどんな成長を見せたのか
鵜飼航丞の2026年シーズンを評価するうえで重要なのは、前年からの数字の変化と、長打力が実際の試合結果につながった点だ。
日本野球機構(NPB)の2026年シーズン終了時の公式記録によると、鵜飼の一軍成績は54試合出場、175打席、166打数39安打、打率.235、5本塁打、22打点だった。出塁率は.274、長打率は.361を記録している。
2025年は30試合で10安打、打率.189、本塁打0、打点1だった。これと比較すると、2026年は安打数が39本、打点が22打点まで増加。出場試合数も24試合増えており、一軍で結果を残す機会を広げた。
特に注目したいのが本塁打数だ。2022年の4本、2023年の3本を上回る5本を記録し、プロ入り後のシーズン最多本塁打を更新した。2024年と2025年は本塁打がなかっただけに、長打力を取り戻した意味は大きい。
ただし、2026年を完全なブレークシーズンと評価するには早い。54試合の出場にとどまり、シーズン中には2度の再調整を経験。レギュラーの座を確保するまでには至らなかったと日刊スポーツも報じている。
つまり、2026年は長打力という武器を一軍で再び発揮できたシーズンである一方、年間を通じて安定した成績を残すという次の課題が明確になった年でもある。
【プロフィール】鵜飼航丞の出身高校・駒澤大学・ドラフト経歴
鵜飼航丞は1999年5月30日生まれ、愛知県出身の右投右打の外野手だ。2026年11月現在27歳。身長183cm、体重100kgという恵まれた体格を生かしたパワフルな打撃が特徴である。
現在の所属は中日ドラゴンズ。背番号は66で、2021年ドラフト2位指名を受けてプロ入りした。
中京大中京高校時代:甲子園を経験した強打者鵜飼は愛知県の中京大中京高校でプレーした。同級生には伊藤康祐がおり、鵜飼は副キャプテンを務めた。中日ドラゴンズの新人選手入団発表で、本人は伊藤がキャプテン、自身が副キャプテンとして甲子園に出場したことを振り返っている。
高校時代から長打力を持ち味としており、プロ入り後もそのパワーが評価される基盤となった。
駒澤大学時代:大学野球を経てプロへ高校卒業後は駒澤大学へ進学。大学野球で経験を積み、2021年のドラフト会議で中日ドラゴンズから2位指名を受けた。
ドラフト指名後の球団公式インタビューでは、幼い頃から中日ドラゴンズのファンだったことを明かしている。子どもの頃にはナゴヤドームへ自転車で通っていたという。憧れの選手として挙げたのは福留孝介だった。
「長打力が持ち味で、ホームランを打てることが一番の魅力だと思う」
これはドラフト指名後に球団公式サイトで紹介された鵜飼本人のコメントだ。加えて、将来的には中日の4番を打ち、40本塁打を記録したいという目標も語っていた。
背番号66への変更:2025年から新しい番号に鵜飼はプロ入り当初、背番号4を着用していた。その後、中日球団は2024年12月16日に背番号変更を発表。鵜飼は4から66へ変更され、2025年シーズンから新しい背番号でプレーしている。
2026年現在の選手名鑑にも背番号66が掲載されている。背番号変更の事実と、プロ入り時の番号を混同しないようにしたい。
【年度別成績一覧】2022年から2026年までの打率・本塁打・打点を比較
鵜飼航丞の成長を判断するには、単年の本塁打数だけでなく、プロ入りからの推移を確認する必要がある。以下はNPB公式の個人年度別成績に基づく一軍打撃成績だ。
| 年度 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | 長打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 59 | .206 | 4 | 16 | .262 | .328 |
| 2023年 | 41 | .143 | 3 | 5 | .170 | .253 |
| 2024年 | 12 | .185 | 0 | 3 | .185 | .259 |
| 2025年 | 30 | .189 | 0 | 1 | .189 | .189 |
| 2026年 | 54 | .235 | 5 | 22 | .274 | .361 |
| 通算 | 196 | .201 | 12 | 47 | .239 | .308 |
出典:日本野球機構(NPB)個人年度別成績。2026年シーズン終了時点。
2022年:プロ1年目から59試合に出場ルーキーイヤーの2022年は59試合に出場し、打率.206、4本塁打、16打点を記録した。プロ1年目から一軍で出場機会を得て、長打力を発揮した点は評価できる。
一方、64三振を記録しており、打撃の確実性には課題が残った。パワーを生かしながら、いかにコンタクトの精度を高めるかが当時からのテーマだった。
2023年:打率.143と苦戦2023年は41試合に出場したものの、打率.143、3本塁打、5打点と成績が低下した。長打を打つ能力は見せたが、打率と出塁率がともに低く、打撃全体の安定感を欠いた。
2024年:出場機会が12試合に減少2024年は12試合の出場で打率.185、5安打。打点は3だったが、本塁打は0に終わった。出場機会そのものが少なく、打撃で存在感を示す機会を十分に得られなかったシーズンといえる。
2025年:二軍で結果を残すも一軍では苦戦2025年の一軍成績は30試合、打率.189、0本塁打、1打点だった。
ただし、二軍では77試合に出場し、打率.299、7本塁打、44打点を記録している。二軍で結果を残しても、一軍では同じような打撃ができなかったことが、この時期の大きな課題だった。
2026年:自己最多5本塁打で復調の兆し2026年は54試合で5本塁打、22打点を記録。2022年の4本塁打を上回り、キャリアハイを更新した。
打率も前年の.189から.235へ上昇し、長打率も.189から.361に改善している。数字からは、単に試合出場数が増えただけではなく、打球を長打につなげる力が戻ってきたことが読み取れる。
ただし、通算打率は.201。今後は2026年の好材料を一過性の結果に終わらせず、より多くの打席で再現することが求められる。
【満塁ホームラン】2026年6月10日の一発が示した鵜飼航丞の長打力
2026年シーズンの鵜飼を象徴する出来事が、6月10日の千葉ロッテマリーンズ戦で生まれたプロ初の満塁ホームランだ。
ロッテ戦でプロ初のグランドスラム日刊スポーツの2026年6月10日付報道によると、試合はZOZOマリンスタジアムで行われた日本生命セ・パ交流戦。鵜飼は3回表、一死満塁の場面で打席に立った。
相手はロッテの先発左腕・毛利海大。鵜飼はそのスライダーを捉え、打球を左中間スタンドへ運んだ。これがプロ入り後初の満塁本塁打となった。
この一発は今季5号であり、ルーキーイヤーの4本塁打を超える自己最多記録の更新にもつながった。シーズン35試合目での達成だった。
長打力は本物なのか鵜飼の長打力は、プロ入り当初から評価されてきた特徴だ。183cm、100kgという体格を生かしたスイングには、外野の頭を越える打球やスタンドまで届く打球を生み出す力がある。
2026年は6本の二塁打と5本の本塁打を記録。長打率.361という数字も、2025年の.189から大きく改善した。
特に満塁ホームランは、単なるソロ本塁打とは違い、走者を一掃する得点力を示した場面だった。チャンスで長打を打てることは、外野手としての評価を高める材料になる。
一発の魅力と継続性は別の評価軸ただし、満塁ホームランを打ったことだけで打撃の完成度が高まったと判断するのは早い。長距離打者に求められるのは、印象的な一発だけではなく、相手投手の配球に対応しながら長打を継続して生み出す能力だ。
鵜飼の場合、2026年に本塁打数と長打率を改善した一方で、出塁率は.274にとどまった。長打力を維持しながら、ボール球を見極めて出塁できるようになれば、打者としての価値はさらに高まる。
【打撃の課題】三振・選球眼・変化球への対応をどう改善するか
鵜飼航丞の打撃成績を見ると、改善した部分と、依然として克服できていない部分がはっきり分かれる。最大の課題は、長打力そのものではなく、打つべき球を選び、確実にスイングする能力だ。
49三振と7四球が示す選球眼の課題2026年は175打席で49三振、7四球だった。打席数に対する三振の割合は約28%に達している。一方、四球は7つで、ボールを見極めて出塁する機会は多くなかった。
打率.235という数字だけを見ると前年からの改善が目立つが、出塁率.274を見ると、打席での選択肢を増やす余地が残っていることが分かる。
長打力のある打者は、相手投手から厳しいコースやボール球を使われやすい。そこで無理に打ちにいくと、得意なコースから外れた球を振らされ、三振や凡打が増える可能性がある。
本人が振り返ったボール球への対応2026年11月1日付の日刊スポーツの報道では、鵜飼はシーズンを振り返り、好調時にもボール球に手を出してしまったことや、調子を落としたときに試合中に修正できなかったことを課題として挙げている。
シーズン終了後にはアナリストとデータを確認。ゾーン内の球にはスイングできていた一方、ストライクゾーンを外れた球に手を出してしまうことが問題として浮かび上がったという。
この分析は、鵜飼の打撃を考えるうえで重要だ。単純にスイングスピードを上げたり、強く振ったりするだけでは、打率と本塁打の両方を安定させることは難しい。
スイングキャンセルが改善の鍵鵜飼が取り組んでいる課題の一つが、スイングに入った後でもバットを止められるようにする技術だ。いわゆるスイングキャンセルである。
「打ちにいきながら止められるようになればベスト」
日刊スポーツの取材で鵜飼が語ったこの考え方は、今後の打撃改善を考えるうえで要点になる。
打ちにいく姿勢を維持しながら、ボール球には手を出さない。この判断ができれば、甘い球を待つ余裕が生まれ、持ち前の長打力をより生かしやすくなる。
鵜飼に必要なのは、パワーを抑えた小さな打撃ではない。強いスイングを維持しつつ、打つべき球を選択できる打者への進化だ。
【現在と今後の展望】山崎武司コーチとの取り組みとヒッチの再導入
2026年11月現在、鵜飼の次の成長を考えるうえで注目されるのが、山崎武司新打撃コーチとの取り組みだ。
日刊スポーツが11月1日に報じたところによると、鵜飼は山崎コーチの特徴的な打撃動作である「ヒッチ」に関心を示している。
ヒッチとは何かヒッチとは、打撃フォームにおいて構えからグリップを一度下げる予備動作のことだ。山崎武司氏が現役時代に取り入れていた特徴的な動作として知られる。
実は鵜飼自身もプロ入り前にヒッチを取り入れていた。山崎コーチとはドラフト直後にメディアで共演した経験があり、その際に自身のフォームについて「俺に似てるな」と声をかけられたこともあったという。
鵜飼は山崎コーチの現役時代の映像や打撃練習を確認しており、直接指導を受けて、以前の動きを再び取り入れることも視野に入れている。
山崎武司コーチとの相乗効果に期待山崎武司氏は現役時代に通算403本塁打を記録した右の長距離打者だ。鵜飼と同じ右打者であり、長打を武器にしてきたという共通点がある。
今回の指導で期待されるのは、単純に山崎氏のフォームをコピーすることではない。鵜飼自身の打撃感覚を理解したうえで、長所を残しながら欠点を改善することだ。
11月1日付の日刊スポーツによると、山崎コーチも鵜飼本人の考えを聞いてから指導を始めたいという姿勢を示していた。選手の感覚と指導者の経験をすり合わせる取り組みになる。
来季に向けて注目したい3つの評価ポイント今後の鵜飼を評価する際は、本塁打数だけに注目するのではなく、次の3点を確認したい。
- 選球眼の改善:ボール球への空振りや見逃し三振が減り、四球を選べるようになるか。
- 長打力の再現性:満塁ホームランのような一発だけでなく、二塁打や本塁打を継続して記録できるか。
- 一軍での出場機会:調子の波を小さくし、スタメンや代打で安定して起用される存在になれるか。
2026年は54試合で5本塁打という結果を残した。次に必要なのは、出場試合数を増やしながら打撃成績を安定させることだ。パワーを持つ右打ち外野手として、チーム内で確かな役割を獲得できるかが焦点になる。
【鵜飼航丞に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:鵜飼航丞の2026年の打撃成績は?
A1:2026年は54試合に出場し、打率.235、5本塁打、22打点を記録した。出塁率は.274、長打率は.361。2025年の打率.189、0本塁打から改善し、自己最多のシーズン5本塁打を達成した。
Q2:鵜飼航丞のプロ初満塁ホームランはいつ?
A2:2026年6月10日の千葉ロッテマリーンズ戦で記録した。ZOZOマリンスタジアムの3回表、一死満塁の場面で左中間スタンドへ運んだ一発で、プロ入り後初の満塁ホームランとなった。
Q3:鵜飼航丞の出身高校と大学は?
A3:中京大中京高校から駒澤大学へ進学した。大学卒業後、2021年ドラフト2位で中日ドラゴンズに入団している。
Q4:鵜飼航丞の現在の背番号は?
A4:2026年現在は66番。プロ入り当初は4番だったが、中日球団が2024年12月に背番号変更を発表し、2025年シーズンから66番を着用している。
Q5:鵜飼航丞の最大の打撃課題は?
A5:ボール球への対応と選球眼の改善だ。2026年は175打席で49三振、7四球だった。強いスイングを維持しながら、打つべき球を見極める能力が今後の成長を左右する。
鵜飼航丞は中京大中京高校、駒澤大学を経て、2021年ドラフト2位で中日ドラゴンズに入団した右の長距離砲だ。プロ入り後は出場機会や打撃成績に波があり、2024年と2025年には本塁打を記録できなかった。
しかし、2026年は54試合で打率.235、5本塁打、22打点を記録。6月10日のプロ初満塁ホームランは、持ち前のパワーを改めて印象づけた。長打率も.361まで改善しており、前年からの前進は数字にも表れている。
一方、49三振、7四球という数字が示すように、選球眼と打撃の確実性には課題が残る。2026年11月からは山崎武司新打撃コーチとの取り組みが始まり、ヒッチの再導入やスイングキャンセルの習得が今後の注目材料となっている。
鵜飼航丞を評価するうえで大切なのは、本塁打数だけでなく、打率、出塁率、三振数、一軍出場機会を合わせて見ることだ。一発を打てる魅力を残しながら、安定して結果を出せる打者へ成長できるか。2026年に見せた復調の兆しを、次のシーズンでどこまで確かな実績に変えられるかに注目したい。