2026年11月4日現在、寺地拳四朗はWBO世界スーパーフライ級の現役チャンピオンだ。7月20日の王座決定戦でイスラエル・ゴンサレスを下し、ライトフライ級、フライ級に続く3階級制覇を成し遂げた。
所属ジムのBMBボクシングジムが掲載する選手プロフィールでも、WBO世界スーパーフライ級王者として紹介されている。プロ通算成績は28戦26勝(16KO)2敗。KO勝利だけでなく、12ラウンドを戦い抜く技術とスタミナも持ち味だ。
世界3階級制覇の意味とは?寺地の3階級制覇は、単純に世界タイトルを3本獲得したという意味ではない。
獲得した世界王座を階級別に整理すると、次のようになる。
- ライトフライ級:WBC・WBA世界王座
- フライ級:WBC・WBA世界王座
- スーパーフライ級:WBO世界王座
つまり、異なる3階級で世界王座を獲得した実績だ。
特に注目したいのは、ライトフライ級とフライ級では2団体の王座を統一している点である。3階級すべてで複数団体の王座を統一したわけではない。
寺地自身は2026年7月の3階級制覇後、3階級で2団体統一を成し遂げるという新たな目標を掲げた。11月の初防衛戦は、その目標へ進むための重要な一戦になる。
【プロフィール】寺地拳四朗の生い立ちとBMBボクシングジム
寺地拳四朗(てらじ・けんしろう)
プロボクサー・世界3階級制覇王者
- 生年月日:1992年1月6日
- 出身地:京都府城陽市
- 年齢:34歳(2026年11月現在)
- 所属:BMBボクシングジム
- 身長:約165cm
- プロデビュー:2014年8月3日
- 戦績:26勝16KO・2敗
寺地拳四朗は、奈良朱雀高校を経て関西大学に進学した。高校時代には奈良インターハイのモスキート級で準優勝。大学時代もボクシングを続け、東京国体のライトフライ級で優勝、全日本選手権では準優勝という成績を残している。
BMBボクシングジムの公式プロフィールによると、アマチュア時代の戦績は74戦58勝(20KO)16敗。2014年8月3日にプロデビューし、2015年には日本ライトフライ級王座を獲得した。
プロ転向後も着実に実績を積み重ね、2017年5月20日にはガニガン・ロペスを判定で破り、WBC世界ライトフライ級王座を獲得。世界のトップ戦線へと進出した。
BMBボクシングジムとの関係寺地が所属するBMBボクシングジムは京都府宇治市に拠点を置くジムだ。
寺地は同ジムを拠点に世界タイトル戦を重ねてきた。選手プロフィールや過去の試合結果もジムの公式特設ページで公開されており、2026年のWBO王座獲得後も所属選手として掲載されている。
また、寺地の父である寺地永氏も元プロボクサーで、日本ミドル級王座や東洋太平洋ライトヘビー級王座を獲得した実績を持つ。
ボクシング一家で培われた競技環境も、寺地のキャリアを理解するうえで押さえておきたい背景だ。
【寺地拳四朗の戦績】世界王座獲得から3階級制覇までの軌跡
寺地のキャリアは、常に順調だったわけではない。
世界王者として長期政権を築いた時期もあれば、矢吹正道やリカルド・サンドバルに敗れて王座を失った時期もある。しかし、そのたびに再起し、より高い舞台へ戻ってきた。
主要な試合と関係者の位置づけを整理すると、次のとおりだ。
寺地拳四朗の主要試合・対戦相手一覧出典:BMBボクシングジム公式戦績、ボクシング専門メディアの試合結果報道。
寺地のキャリアを語るうえで欠かせないのが、矢吹正道との2試合だ。
2021年9月22日、寺地は矢吹とのWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで10回TKO負けを喫した。長く守ってきた世界王座を失い、プロ初黒星となった。
しかし、2022年3月19日の再戦では一転。寺地が3回KO勝ちを収め、王座を奪還した。
同年11月には京口紘人との統一戦にも勝利。WBAとWBCの2団体王座をまとめ上げ、世界ライトフライ級のトップ選手としての評価を確かなものにした。
この経験は、後の階級転向にもつながる重要な転換点だった。
ユーリ阿久井政悟との統一戦2024年10月、クリストファー・ロサーレスを破ってWBC世界フライ級王座を獲得した寺地は、2025年3月13日にユーリ阿久井政悟との統一戦に臨んだ。
この試合は12回1分31秒TKOで寺地が勝利。WBA・WBC世界フライ級の統一王者となった。
ユーリ阿久井は、2026年11月29日の興行にも出場する予定だ。寺地との過去の対戦を知っておくと、同じ興行で再び両者の名前が並ぶことの意味も理解しやすい。
リカルド・サンドバル戦での敗北2025年7月30日、寺地はリカルド・ラファエル・サンドバルと対戦した。
WBA・WBC世界フライ級の統一王者として迎えた防衛戦だったが、結果は判定1対2。5回には右ストレートでダウンを奪ったものの、後半にサンドバルの反撃を受け、惜しくも敗れた。
この敗北で2団体の王座を失った。
その後、2025年12月27日に予定されていたウィリバルド・ガルシアとのIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチも、相手選手の体調不良により直前で中止となった。
つまり、2026年7月のゴンサレス戦は単なる階級転向ではない。王座陥落と試合中止を経験した寺地が、再び世界の頂点に立つための再起戦でもあった。
【ファイトスタイル分析】寺地拳四朗が強い理由はスピードと距離感
寺地拳四朗のファイトスタイルは、右構えのボクサーファイターだ。
特徴は、単純なパンチ力だけに依存しないこと。ジャブを軸に距離を管理し、相手の攻撃をかわしながら、ワンツーや右ストレートで有効打を重ねる。
ボクシング専門メディアの試合分析でも、ハンドスピード、テンポの速い攻撃、ステップを使った距離調整が寺地の武器として評価されている。
1. 左ジャブで相手の距離を支配する寺地の基本となる武器は左ジャブだ。
ジャブは単に相手を攻撃するためのパンチではない。相手との距離を測り、攻撃のタイミングを作り、相手が前進するリズムを崩す役割も担う。
2026年7月のゴンサレス戦では、寺地は左ジャブを使って距離を保ち、相手の右クロスを見極めながら試合を進めた。
階級を上げても、従来の技術を生かせることを示した試合だった。
2. ワンツーと右ストレートの精度寺地の攻撃で特に警戒すべきなのが、左ジャブから右ストレートにつなぐワンツーだ。
2026年7月のゴンサレス戦では、2回に右カウンターで最初のダウンを奪取。最終12回にも右ストレートを決め、2度目のダウンを奪った。
判定は115対111、116対110、117対109の3対0。3人のジャッジ全員が寺地を支持した。
単に手数を出すのではなく、相手の動きに合わせて有効打を当てる技術が勝利につながった。
3. 攻撃と防御を両立するフットワーク寺地のもう一つの強みは、打った後の動きだ。
パンチを出した後に同じ位置へとどまらず、ステップや回り込みで相手の反撃を外す。相手が攻撃を続けたい距離から離れ、自分が攻撃しやすい間合いを作る。
ゴンサレス戦でも、相手が前に出る局面で距離をずらし、連打をつなげにくくする動きが見られた。
4. スーパーフライ級でも通用した技術階級を上げると、対戦相手の体格やパンチの強さが変わる。
そのため、ライトフライ級やフライ級で成功した技術が、そのまま通用するとは限らない。
しかし、寺地はゴンサレス戦で2度のダウンを奪い、判定でも大差をつけた。
体格差だけで勝敗が決まるわけではなく、距離感やタイミング、攻防の切り替えが上の階級でも有効に働くことを示した。
【次戦2026】11月29日のハシエル・アマドル戦を徹底分析
寺地拳四朗の次戦は、2026年11月29日(日)に東京・両国国技館で開催されるWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチだ。
対戦相手はメキシコのハシエル・アマドル。寺地にとっては、7月に獲得したWBO王座の初防衛戦となる。
10月14日に発表会見が行われ、試合日程と対戦カードが正式に公表された。
寺地拳四朗対ハシエル・アマドルの試合情報
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ・12回戦2026年11月29日(日)
東京・両国国技館
寺地拳四朗
34歳・日本
26勝16KO
2敗・164cm
ハシエル・アマドル
25歳・メキシコ
15勝13KO
1分・172cm
配信
U-NEXT独占ライブ配信
配信開始
17:00
※試合開始時刻と配信開始時刻は異なる場合があります。記載は公表されている配信予定です。
アマドルは25歳のメキシコ人ボクサーで、WBO世界スーパーフライ級10位にランクされている。
注目すべきはKO能力だ。
- プロ戦績:16戦15勝(13KO)1分
- KO率:約81%(総試合数を基準)
- 身長:172cm
- 年齢:25歳
- 構え:オーソドックス
- 世界タイトル挑戦:今回が初めて
15勝のうち13勝がKOという数字は、王者にとって警戒すべき材料だ。
加えて、身長は172cm。164cmの寺地より8cm高く、体格面ではアマドルが上回る。
ボクシングモバイルの試合展望では、アマドルの柔軟な上体の動きや、通常とは異なる角度からパンチを打ち込むスタイルにも注目している。
勝敗を左右する3つのポイントポイント1:寺地がジャブで距離を管理できるか
アマドルは身長が高く、前進して攻撃を仕掛けるタイプと報じられている。
寺地にとっては、序盤からジャブを当てて相手の前進を抑え、自分が攻撃しやすい距離を保つことが重要になる。
ポイント2:アマドルのKOパンチを警戒できるか
13KOという数字が示すように、アマドルは一発で試合の流れを変える力を持つ。
寺地がこれまで得意としてきた攻撃後の防御やポジション変更を、今回も発揮できるかが焦点だ。
ポイント3:王者としての試合運び
寺地はこれまで数多くの世界タイトル戦を経験している。一方、アマドルにとっては初めての世界挑戦だ。
経験の差は寺地に有利な材料だが、若さとKO能力を持つ挑戦者を軽視することはできない。
今回の初防衛戦は、単にベルトを守る試合ではなく、3階級目で本格的な王者として定着するための試金石でもある。
次戦の先に見据える王座統一2026年10月14日の発表会見に関する報道では、寺地は初防衛戦の先に王座統一を視野に入れている。
ライトフライ級とフライ級ではWBA・WBCの統一を経験しているだけに、スーパーフライ級でも複数団体のベルトを狙う構想は自然な流れだ。
ただし、まず必要なのは11月29日の勝利。アマドルという無敗の挑戦者を退けて初防衛を成功させることが、次のビッグマッチにつながる。
【注目選手との関係】ゴンサレス・サンドバル・ユーリ阿久井との比較
寺地拳四朗のキャリアを理解するには、これまで対戦した選手との関係も重要だ。
特にイスラエル・ゴンサレス、リカルド・サンドバル、ユーリ阿久井政悟の3人は、寺地のキャリアの転換点に関わっている。
イスラエル・ゴンサレス:3階級制覇の対戦相手ゴンサレスはメキシコ出身の実力者で、2026年7月のWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で寺地と対戦した。
寺地は2回に右カウンターでダウンを奪い、最終12回にも右ストレートで再びダウンを奪った。
ゴンサレスも最後まで攻撃を続けたが、判定3対0で寺地が勝利。世界3階級制覇を達成した。
この試合は、寺地が新しい階級でもトップレベルの実力を発揮できることを証明した一戦だった。
リカルド・サンドバル:王座陥落を経験した相手サンドバルは2025年7月に寺地と対戦し、判定1対2で勝利した選手だ。
寺地からダウンを奪われたわけではないが、5回にダウンを喫した後も立て直し、後半に反撃して判定を引き寄せた。
寺地にとってはキャリア2度目の敗北であり、2団体統一王座を失う結果となった。
ゴンサレス戦での再起を理解するには、このサンドバル戦の存在が欠かせない。
ユーリ阿久井政悟:統一戦を戦った元ライバルユーリ阿久井政悟は、2025年3月13日に寺地とWBA・WBC世界フライ級王座統一戦を戦った相手だ。
寺地が12回TKO勝ちを収め、2団体統一を果たした。
加えて、2026年11月29日の興行ではユーリ阿久井も世界戦に出場する予定となっている。対戦相手はWBA世界スーパーフライ級王者ダビド・ヒメネスで、阿久井は2階級制覇を目指す。
かつて同じ階級で激闘を繰り広げた2人が、同じ興行でそれぞれ世界タイトルに挑む構図も見どころの一つだ。
【プロの結論】寺地拳四朗を評価するなら3つの視点が重要
寺地拳四朗の強さを正しく理解するには、単純な勝敗やKO数だけで判断しないことが大切だ。
1. 王座獲得数より階級ごとの適応力を見るライトフライ級からフライ級、そしてスーパーフライ級へ。
階級が変わるたびに相手の体格や攻撃力も変化する。寺地は、その環境に合わせて戦い方を調整してきた。
2026年7月のゴンサレス戦で見せたジャブと出入りを重視するスタイルは、その適応力を象徴している。
2. 敗戦後の修正能力を評価する矢吹正道戦とサンドバル戦は、寺地にとって重要な敗戦だった。
しかし、矢吹との再戦ではKO勝ちで王座を奪還し、サンドバル戦後も再び世界王者に返り咲いた。
トップ選手に必要なのは無敗であり続けることだけではない。敗戦の経験を次の試合に生かせるかどうかも、大きな評価基準になる。
3. 3階級目の王座を維持できるかを見る今回の11月29日の初防衛戦は、寺地の今後を占う重要な試合だ。
初防衛に成功すれば、王者としての実績を積み上げ、次の王座統一戦に向けた交渉にも弾みがつく。
反対に、アマドルのKO能力に押される展開になれば、階級を上げた後の課題も見えてくる。
寺地の評価を決めるのは、3階級制覇という肩書だけではない。新しい階級でどれだけ長く、強く王者であり続けられるかが本当の見どころだ。
【けんしろうボクシング】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:寺地拳四朗の現在の戦績は?
A1:2026年11月4日現在、28戦26勝(16KO)2敗。2026年7月20日にイスラエル・ゴンサレスを判定で破り、WBO世界スーパーフライ級王者となった。
Q2:寺地拳四朗の次戦はいつですか?
A2:2026年11月29日(日)に東京・両国国技館で開催予定。対戦相手はメキシコのハシエル・アマドルで、WBO世界スーパーフライ級王座の初防衛戦となる。
Q3:寺地拳四朗は何階級制覇していますか?
A3:ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級の3階級を制覇している。ライトフライ級とフライ級ではWBA・WBCの2団体王座を統一した実績もある。
Q4:寺地拳四朗が負けた相手は誰ですか?
A4:プロでの敗戦は2回。2021年9月に矢吹正道に10回TKO負けし、2025年7月にはリカルド・サンドバルに判定1対2で敗れている。
Q5:寺地拳四朗の所属ジムはどこですか?
A5:京都府宇治市に拠点を置くBMBボクシングジム。選手プロフィールや試合結果はジムの公式特設ページでも確認できる。
Q6:ハシエル・アマドルはどんなボクサーですか?
A6:メキシコ出身の25歳で、16戦15勝(13KO)1分の戦績を持つオーソドックスの選手。寺地より身長が8cm高く、KO能力が初防衛戦の注目ポイントになっている。
2026年の寺地拳四朗は、世界3階級制覇を達成したWBO世界スーパーフライ級王者として新たなステージに立っている。
2025年のリカルド・サンドバル戦での敗北、同年12月のウィリバルド・ガルシア戦の中止という苦しい経験を乗り越え、2026年7月にはイスラエル・ゴンサレスを判定で撃破。再び世界の頂点に返り咲いた。
そして次の大きな目標は、2026年11月29日のハシエル・アマドル戦での初防衛だ。
注目したいのは、寺地がこれまで培ってきたジャブ、スピード、距離感が、身長で上回る挑戦者にどこまで通用するかという点である。
3階級制覇は大きな実績だが、寺地の挑戦はまだ終わっていない。初防衛を成功させ、スーパーフライ級でも複数団体の王座統一を実現できるか。11月29日のリングは、今後のキャリアを占う重要な舞台となる。