防御率4.44という数字の背景を探るには、WHIP、奪三振率、与四球率、被打率を組み合わせて見る必要がある。
WHIP1.34は過去2年より悪化WHIPとは、1イニングあたりに許した被安打と与四球の合計を示す指標だ。
計算式は次のとおり。
\[
WHIP=\frac{被安打+与四球}{投球回}
\]
2026年の有原は、被安打114、与四球24、投球回103回1/3。これらから算出されるWHIPは約1.34となる。
過去2年と比べると次の変化がある。
- 2024年:0.98
- 2025年:1.19
- 2026年:1.34
3シーズン連続で数値が上昇している。特に2024年はWHIP0.98という優秀な数字だっただけに、2026年の1.34との差は大きい。
与四球率よりも被安打の増加がポイントさらに興味深いのが、与四球率だ。
| 指標 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 奪三振率(K/9) | 6.75 | 6.22 | 5.84 |
| 与四球率(BB/9) | 1.82 | 2.11 | 2.09 |
| 被打率 | .215 | .255 | .282 |
| WHIP | 0.98 | 1.19 | 1.34 |
ここから読み取れるのは、2026年の与四球率が2025年とほぼ同水準である一方、奪三振率は低下し、被打率は上昇していることだ。
つまり、単純に制球が崩れたというよりも、打者を三振で仕留める割合が減り、安打によって走者を許すケースが増えたことが数字に表れている。
投球内容を評価する際には、防御率だけでなく、こうした複数の指標を組み合わせることが欠かせない。
完封2試合という実績も評価材料一方、2026年には2完投・2完封を記録している。
これは先発投手として試合を最後まで任せられる能力を示す数字でもある。
特に8月には2試合連続完封を達成。防御率4.44というシーズン通算の数字とは対照的に、好調時には相手打線を圧倒できる投球を披露していた。
2026年の有原を評価するなら、課題は走者を背負う頻度と奪三振率の低下。一方で、長いイニングを投げ切る能力や完封できる実力は残していた、という整理が妥当だ。
【日本ハム復帰の経緯】有原航平のキャリアと転換点

有原航平は1992年8月11日生まれ、広島県出身の右投右打の投手。広陵高校、早稲田大学を経て、2014年のドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
その後、メジャーリーグ挑戦を経てソフトバンクで活躍し、2026年に再び日本ハムへ戻っている。
年代別のキャリアと主な実績- 2015年: 日本ハムでプロ初登板。新人王を獲得。
- 2016年: 11勝9敗、防御率2.94。
- 2017年: 10勝13敗、防御率4.74。
- 2018年: 8勝5敗、防御率4.55。
- 2019年: 15勝8敗、防御率2.46。最多勝を獲得。
- 2020年: 日本ハムで8勝9敗、防御率3.46。
- 2021~2022年: テキサス・レンジャーズでメジャーリーグに挑戦。
- 2023年: ソフトバンクに加入し、10勝5敗、防御率2.31。
- 2024年: 14勝7敗、防御率2.36。最多勝、ベストナインを獲得。
- 2025年: 14勝9敗、防御率3.03。2年連続の最多勝。
- 2026年: 日本ハムに復帰。7勝9敗、防御率4.44。
北海道日本ハムファイターズは2025年12月28日、有原との入団合意を公式発表した。
2015年から2020年まで在籍した古巣への復帰であり、2026年は6年ぶりに日本ハムのユニフォームを着て戦うシーズンとなった。
球団発表に掲載された有原本人のコメントは、復帰への思いを端的に表している。
「プロ野球人生の始まりの地である北海道、ファイターズという球団にご縁をいただけて大変嬉しく思います。新庄監督のもと、優勝を目指して全力で腕を振り、1イニングでも長く投げチームに貢献したいです」
今回の移籍は、単なる所属球団の変更ではない。
メジャーリーグとソフトバンクで経験を積んだ投手が、プロとしての出発点に戻るというキャリア上の大きな節目だった。
2026年はその期待に対し、数字の面では課題を残したシーズンとなった。
【テキサス・レンジャーズ時代とNPB通算成績】日米で残した記録
有原の成績を正しく理解するには、NPBとMLBの記録を分けて確認する必要がある。
テキサス・レンジャーズ時代の成績2021年、有原はテキサス・レンジャーズに加入し、メジャーリーグでの挑戦をスタートさせた。
MLB公式記録による年度別成績は次のとおり。
| 年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 10 | 2勝4敗 | 6.64 | 40回2/3 | 24 |
| 2022年 | 5 | 1勝3敗 | 9.45 | 20回 | 14 |
| 通算 | 15 | 3勝7敗 | 7.57 | 60回2/3 | 38 |
MLBでの通算WHIPは1.73。NPBでの実績と比較すると、メジャーでは苦しい結果となった。
ただし、この経験は有原のキャリアを考えるうえで重要な転換点だ。
日本で結果を残した投手が、異なる環境と打者に対応する難しさを経験した時期でもある。
ソフトバンク移籍後に再び最多勝投手へ2023年に福岡ソフトバンクホークスへ加入すると、NPBで再び安定した成績を残した。
初年度は10勝5敗、防御率2.31。2024年と2025年には2年連続で14勝を挙げ、最多勝利投手賞を獲得した。
日本ハム時代に獲得した2019年の最多勝と合わせると、最多勝のタイトルは通算3度となる。
2026年終了時点のNPB通算成績NPB公式の個人年度別成績によると、2026年シーズン終了時点の有原の通算記録は以下のとおり。
有原航平|NPB通算投手成績
通算勝敗105勝80敗
通算防御率3.40
通算投球回
1,417回2/3
通算奪三振
1,025
通算登板
215試合
通算WHIP
1.18
出典:NPB個人年度別成績、パ・リーグ.com。通算WHIPは掲載された被安打・与四球・投球回から算出した値。
特筆すべきは、2026年にNPB通算100勝と通算1,000奪三振を達成したことだ。2025年には日米通算100勝も達成している。
シーズン成績には浮き沈みがあったものの、長年にわたり先発投手として実績を積み重ねてきたことが通算記録から分かる。
なお、ここで紹介した105勝80敗はNPBでの通算成績であり、MLBの3勝7敗は含まれていない。
【有原航平の成績に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:有原航平の2026年の成績は何勝何敗?
A1:2026年は北海道日本ハムファイターズで17試合に登板し、7勝9敗、防御率4.44を記録した。投球回は103回1/3、奪三振は67、WHIPは1.34だった。
Q2:有原航平の2024年・2025年の成績は?
A2:2024年はソフトバンクで14勝7敗、防御率2.36、182回2/3、137奪三振。2025年は14勝9敗、防御率3.03、175回、121奪三振だった。両年とも最多勝を獲得している。
Q3:有原航平のNPB通算成績は?
A3:2026年シーズン終了時点で215試合に登板し、105勝80敗、防御率3.40、1,417回2/3、1,025奪三振を記録している。MLB時代の成績は別集計となる。
2026年の有原航平は、6年ぶりに日本ハムへ復帰し、7勝9敗、防御率4.44という成績でシーズンを終えた。
ソフトバンク時代の2024年・2025年に記録した14勝と比較すると、勝利数、防御率、投球回、奪三振数のいずれも低下している。
特に注目すべき変化は次の3点だ。
1. 防御率の上昇: 2024年の2.36から2026年は4.44へ悪化。
2. WHIPの上昇: 0.98から1.34へ変化し、走者を許す頻度が増加。
3. 奪三振率の低下: 2024年の6.75から2026年は5.84となった。
一方、2完投・2完封を記録し、8月には2試合連続完封も達成。NPB通算100勝、1,000奪三振という節目にも到達した。
【プロの結論】
有原航平の2026年を評価するとき、7勝9敗や防御率4.44だけを見て判断するのは適切ではない。
2024年・2025年との比較で明らかになったのは、単なる勝ち星の減少ではなく、被安打の増加、WHIPの上昇、奪三振率の低下という投球内容の変化だ。
今後の評価では、勝敗に加えて、被打率、WHIP、奪三振率、1試合あたりの投球回数を継続的に確認することが重要になる。
日本ハム復帰という大きな節目を迎えた有原。2026年の数字は課題を示す一方、完封能力や豊富な経験という強みも改めて示したシーズンだった。次のシーズンにどのような投球を見せるのか、引き続き注目したい。