2026年度の日本体育大学駅伝部は、4年生から1年生まで幅広い学年の選手が所属している。公式の部員紹介では、選手の氏名や学年、出身校などを確認できる。
チームを率いる監督は玉城良二(たまき・りょうじ)氏。コーチ陣には小川欽也氏、嶋野太海氏、野田朱音氏らが名を連ねる。玉城監督は、学生が自ら考え、主体的に活動するチームづくりを重視してきた指導者だ。
2026年度の主な所属選手現在の選手名簿から、学年別に注目したい選手を整理する。
4年生
- 吉田黎大
- 天瀬海斗
- 佐藤輝歩
- 大島脩太
- 瀬戸雅史
- 松本悠真
- 中條隆太
3年生
- 佐藤大和
- 荻野桂輔
- 山上勇希
- 吉岡斗真
- 樋村銀河
- 國井飛慎
- 近藤琳太郎
- 永見進之介
2年生
- 夏見虹郎
- 野村汰輝
- 大宮健治
- 水津勇人
- 野手駈
- 鳥羽恭平
- 渡辺和志
1年生
- 宗像琢馬
- 星野愁
- 松本育也
- 相川健太
- 森田陽斗
- 坂井咲太郎
- 野尻大志
- 井上智也
- 石井将人
上記は2026年度の選手名簿からの抜粋であり、箱根駅伝の本戦登録メンバーや出走区間を確定するものではない。
チームを支える注目選手2026年度の戦力を考える際、特に注目したいのが夏見虹郎、佐藤大和、吉岡斗真の3選手だ。
夏見は10000mで28分29秒82、ハーフマラソンで1時間02分52秒を記録。長い距離での安定感が期待される選手である。
佐藤大和は10000mで28分37秒62、ハーフマラソンで1時間03分12秒。大学駅伝で求められる持久力を示す自己ベストを持つ。
吉岡斗真は5000mで13分56秒99を記録しており、スピード面で注目したい存在だ。
もちろん、持ちタイムだけで箱根駅伝の出走選手が決まるわけではない。長距離区間への適性、直近の調子、故障の有無、レース展開への対応力も重要になる。
【戦力分析】5000m・10000mの自己ベストから見る現在の実力

日体大駅伝部の現在の実力を客観的に判断するには、個人の最高記録だけでなく、チーム全体の上位選手の平均タイムを見る必要がある。
箱根駅伝は10人で襷をつなぐ競技だ。エースが好記録を持っていても、10人目までの戦力が不足すれば総合順位を押し上げることは難しい。
2026年度の長距離記録2026年10月25日までの大会記録などを収録した学生長距離データベースでは、日本体育大学の選手69人が記録対象となっている。
同データによる上位選手の平均は次のとおりだ。
5000m上位10人平均14:11.32
10000m上位10人平均29:08.92
ハーフ上位10人平均1:03:48
10000m29分切り2人
出典:学生長距離・駅伝データベース。2026年10月25日までの収録記録。
10000mの上位10人平均は、同データの収録校34校中21位。29分30秒を切る選手は9人となっている。
この数字から読み取れるのは、一定水準の選手層を持ちながらも、上位大学と比較した場合には、10000mの総合的な層の厚さに改善の余地があるということだ。
5000m・10000mの注目記録| 選手 | 5000m | 10000m |
|---|---|---|
| 吉岡斗真 | 13:56.99 | 29:34.06 |
| 夏見虹郎 | 14:04.13 | 28:29.82 |
| 佐藤大和 | 14:08.81 | 28:37.62 |
| 荻野桂輔 | 14:09.33 | 29:14.81 |
| 山上勇希 | 14:05.32 | 29:05.65 |
| 吉田黎大 | 14:15.16 | 29:09.64 |
※いずれも2026年10月25日までの収録データに掲載された自己ベスト。大会出場時の記録やエントリー時の申告記録などを含む。
日体大駅伝部の歴代チーム記録も優秀現役選手の記録とは別に、チーム全体の歴代最高記録にも注目したい。
- 5000m:藤本珠輝の13分32秒58(2021年)
- 10000m:平島龍斗の27分56秒84(2025年)
- ハーフマラソン:富永椋太の1時間00分56秒(2025年)
いずれも日体大駅伝部公式サイトに掲載されている記録だ。
特に10000mで27分台を記録した平島龍斗の実績は、日体大が現在も高い競技水準を目指せる環境を持っていることを示している。
ただし、歴代最高記録を持つ選手がそのまま2027年の戦力になるわけではない。重要なのは、その実績を下級生が引き継げるかどうかだ。
【大会結果を徹底比較】箱根・出雲・全日本で見えた2026年の課題
2026年の日体大駅伝部を評価するうえで、避けて通れないのが学生三大駅伝の結果だ。
箱根駅伝では2026年1月に第102回大会へ出場。一方、全日本大学駅伝では関東地区選考会を突破できず、出雲駅伝も出場校には入らなかった。
そして、2026年10月17日の箱根駅伝予選会では、再び本戦出場を決めている。
2026年の主要大会・チーム成績一覧| 大会・時期 | 成績・結果 | チームへの影響 |
|---|---|---|
| 第102回箱根駅伝(2026年1月) | 総合15位 10時間56分42秒 |
シード権を逃す |
| 全日本大学駅伝関東選考会(5月4日) | 11位 4時間02分42秒80 |
本大会出場を逃す |
| 第38回出雲駅伝(10月12日) | 出場校に含まれず | 本大会への出場なし |
| 第103回箱根駅伝予選会(10月17日) | 9位 10時間39分52秒 |
本戦出場を決定 |
| 第103回箱根駅伝(2027年1月) | 79年連続出場 | シード権獲得を目指す |
2026年1月2日・3日に開催された第102回箱根駅伝で、日体大は総合15位だった。
総合タイムは10時間56分42秒。往路が5時間30分04秒、復路が5時間26分38秒だった。
前年の第101回大会も12位で、シード権獲得には届いていない。第100回大会は16位、第99回大会は17位だった。
つまり、2023年から2026年までの4大会を見ると、上位10校に入ることができていない。
日体大にとって、シード権獲得は単なる順位目標ではない。
予選会を経ずに翌年の箱根駅伝へ進めることは、チーム編成や年間の練習計画にも大きなメリットをもたらす。選手にとっても、秋の予選会に向けてコンディションを調整する負担が軽減される。
全日本大学駅伝は関東選考会11位2026年5月4日に行われた第58回全日本大学駅伝の関東地区推薦校選考会では、日体大は総合11位だった。
記録は4時間02分42秒80。関東地区から本大会へ進めるのは上位7校だったため、伊勢路への出場権を獲得できなかった。
この結果は、日体大が箱根駅伝だけでなく、他の大学駅伝でも競争力を高める必要があることを示している。
出雲駅伝も2026年は出場なし2026年10月12日の第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走では、早稲田大学、國學院大學、中央大学、駒澤大学などが出場した。
フジテレビが掲載した出場校一覧には、日本体育大学の名前は含まれていない。
出雲駅伝は比較的短い距離を走るスピード型の駅伝であり、箱根駅伝とは異なる競技特性を持つ。
出場できなかったことは残念だが、長距離の総合力を高めることが、今後の三大駅伝復帰に向けた課題になる。
【歴代成績】箱根駅伝10回優勝・5連覇を達成した名門の実力
日本体育大学駅伝部が注目される最大の理由は、長い歴史と圧倒的な優勝実績にある。
陸上競技部は1925年に創設され、翌1926年には駅伝部として正式に活動を開始した。箱根駅伝には1949年の第25回大会で初出場している。
箱根駅伝の歴史を彩った5連覇日体大の黄金時代を象徴するのが、1969年から1973年までの5年連続総合優勝だ。
第45回から第49回まで、箱根駅伝で5連覇を達成。中央大学に次ぐ歴代2位の5年連続優勝という記録を残した。
公式の大学別過去記録でも、1969年、1970年、1971年、1972年、1973年のすべてで総合1位となっている。
日体大駅伝部の主な歴史的実績- 箱根駅伝:総合優勝10回
- 箱根駅伝:5年連続総合優勝
- 箱根駅伝:78年連続出場(2026年の第102回大会時点)
- 全日本大学駅伝:総合優勝11回
- 全日本大学駅伝:3連覇を2度達成
ここで注意したいのは、箱根駅伝の出場回数と連続出場年数は、別の意味を持つという点だ。
日体大は1949年の初出場から2026年の第102回大会まで、78年連続で本戦に出場している。2027年の第103回大会に出場すれば79年連続となる。
また、日体大の公式歴史ページは、この78年の継続記録を歴代2位として紹介している。
卒業生にも世界で活躍したランナーがいる日体大駅伝部の歴史を語る際に外せないのが、卒業生の谷口浩美だ。
谷口は1991年世界陸上のマラソンで金メダルを獲得し、バルセロナ五輪、アトランタ五輪にも日本代表として出場した。
箱根駅伝では山下りのスペシャリストとして活躍した選手でもある。
こうした卒業生の存在は、日体大の長距離競技における伝統を象徴している。
【2026年新入生】期待のルーキーと日体大駅伝部の入部条件
2026年度の新入生も、今後のチームを左右する重要な存在だ。
長距離種目では、高校時代に5000mで14分台前半から中盤の記録を持つ選手が複数入部している。
2026年度の新入生と出身高校公式部員紹介などで確認できる新入生には、次のような選手がいる。
| 選手名 | 出身高校 |
|---|---|
| 宗像琢馬 | 鳥取城北 |
| 星野愁 | 中越 |
| 松本育也 | 那須拓陽 |
| 相川健太 | 拓殖大学第一 |
| 森田陽斗 | 高岡向陵 |
| 坂井咲太郎 | 九州学院 |
| 野尻大志 | 洛南 |
| 井上智也 | 埼玉栄 |
高校時代の5000m自己ベストでは、宗像琢馬が14分19秒11、星野愁が14分27秒78、松本育也が14分28秒81という記録が紹介されている。
特に注目したいのは、こうした新入生が大学の練習環境でどの程度成長できるかという点だ。
高校駅伝で実績を持つ選手でも、大学駅伝で活躍するには、10000mやハーフマラソンへの対応力が必要になる。
1年目から箱根駅伝のメンバーに入る選手が出てくるかどうかも、今後の見どころとなる。
日体大駅伝部の入部条件は?日体大への入学を検討する高校生にとって、気になるのが入部方法やスポーツ推薦の基準だろう。
日本体育大学にはスポーツ推薦制度があり、2027年度入学者向けのスポーツ推薦では、次の日程が公表されている。
- 出願期間:2026年11月1日~11月4日
- 試験日:2026年11月14日
- 合格発表:2026年12月1日
- 選考方法:書類審査、小論文、集団面接
推薦基準には、次のような要件がある。
1. 志望学部・学科への志望動機が明確であること。
2. 原則として評定平均値が3.0以上であること。
3. 入学後も競技を継続し、競技力の向上を目指すこと。
4. 学業と競技を両立できること。
5. 2024年4月1日以降に、国際大会代表、全国規模以上の競技大会への出場、または競技団体等の強化指定選手など、所定の競技実績を持つこと。
ただし、これは大学が定めるスポーツ推薦の一般的な出願基準であり、男子駅伝ブロック独自の入部タイムや選手選考基準と同一ではない。
男子駅伝ブロック専用の5000m・10000mの合格タイムは、公開情報から一律の基準として確認できない。
そのため、高校生が入部を希望する場合は、競技実績だけで判断せず、大学の入試担当窓口や陸上競技部への確認が必要になる。
【卒業生の進路】実業団・指導者・教育分野へ広がるキャリア
日体大駅伝部の卒業後の進路も、選手や保護者にとって関心の高いテーマだ。
大学卒業後の進路には、大きく分けて競技を続ける道と、スポーツで培った経験を別の仕事に生かす道がある。
実業団で競技を続ける道日体大の卒業生には、大学卒業後も実業団で活躍するランナーがいる。
公式の駅伝部歴史紹介で取り上げられている池田耀平は、大学卒業後に実業団のKaoで競技を続け、マラソンでも実績を残した選手だ。
実業団への進路は、競技を続けながら記録向上や全国大会、国際大会を目指す選手にとって重要な選択肢となる。
教員や公務員などへの進路日本体育大学は、教員養成やスポーツ教育にも力を入れている大学だ。
2025年度の大学公式就職情報には、次のような進路が掲載されている。
- 小学校・中学校・高校の教員
- 地方自治体や国家公務員
- 警察・消防などの公的機関
- スポーツ関連企業
- スポーツクラブや教育関連事業
なお、これらは大学全体の就職先であり、駅伝部の卒業生だけを対象とした進路統計ではない。
2026年度の4年生である吉田黎大、天瀬海斗、佐藤輝歩ら個々の卒業後の進路についても、現時点で公式部員紹介から確定情報を読み取ることはできない。
選手個人の進路発表があれば、実業団入りなのか、競技を離れて別の道へ進むのかが注目される。
【よくある質問】日体大駅伝部に関するFAQ
Q1:日体大駅伝部は2027年の箱根駅伝に出場できますか?
A:出場できます。2026年10月17日に開催された第103回箱根駅伝予選会で総合9位、10時間39分52秒を記録し、本戦出場を決めました。これにより79年連続出場が確定しています。
Q2:日体大駅伝部の箱根駅伝優勝回数は何回ですか?
A:総合優勝は通算10回です。特に1969年から1973年までの5連覇が歴史的な実績として知られています。
Q3:2026年の日体大駅伝部の監督は誰ですか?
A:玉城良二氏です。大学の男子駅伝チーム紹介や駅伝部の部員紹介に監督として掲載されています。
Q4:日体大駅伝部の2026年度の注目選手は誰ですか?
A:記録面では、10000m28分29秒82の夏見虹郎、28分37秒62の佐藤大和、5000m13分56秒99の吉岡斗真らが注目選手です。
Q5:日体大駅伝部に入部するには5000m何分が必要ですか?
A:男子駅伝ブロック独自の一律の5000m合格基準は公表されていません。スポーツ推薦には大学所定の競技実績や学業成績などの条件があります。
日本体育大学駅伝部は、箱根駅伝総合優勝10回、全日本大学駅伝優勝11回という輝かしい歴史を持つ伝統校だ。
一方で、2026年の箱根駅伝は15位、全日本大学駅伝の関東選考会は11位、出雲駅伝も出場なしという結果に終わり、三大駅伝での存在感を取り戻すことが課題になっている。
そのなかで、2026年10月17日の箱根駅伝予選会を9位で通過したことは大きい。2027年の第103回箱根駅伝で79年連続出場を達成することが確定した。
次に求められるのは、予選会を通過することではなく、本戦で10位以内に入り、翌年の出場権を自力で確保することだ。
【プロの結論】2027年の注目要点は選手層の厚さ2027年の箱根駅伝で日体大がシード権を獲得できるかを考える際、最も重視したいのはエースの記録だけではない。
2026年度の10000m上位10人平均は29分08秒92。収録校34校中21位という数字は、選手層の底上げが必要であることを示している。
一方、夏見虹郎や佐藤大和のように28分台の記録を持つ選手がおり、吉岡斗真のような5000mのスピード型選手もいる。
こうした個人の能力を、箱根駅伝の10区間にどう配置するかが監督・スタッフの腕の見せどころだ。
特に重要なのは、以下の3点である。
- 主力選手の安定感:エース区間で大きく順位を落とさない走り。
- 下級生の成長:新入生や2年生が上級生の穴を埋める戦力になること。
- 10人目までの総合力:予選会や本戦で終盤まで粘れる選手層を構築すること。
2026年10月の予選会では9位と、10位の法政大学との差はわずか16秒だった。予選会を突破した実績は評価できるが、シード権争いではさらに高い総合力が求められる。
78年にわたって積み重ねてきた箱根駅伝の伝統を、79年目の本戦でどのような結果につなげるのか。日体大駅伝部の2027年シーズンは、名門復活への重要な転換点になりそうだ。
主な参照資料:日本体育大学公式サイト、日本体育大学駅伝部公式サイト、東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト、関東学生陸上競技連盟、月刊陸上競技、学生長距離・駅伝データベース。