2026年のプロ野球現役ドラフトは、12月9日(水)に開催される。2022年にスタートした制度は今年で5回目を迎え、今回は選手の対象範囲に関する重要なルール変更も実施された。特に注目したいのが、前年オフから2026年7月31日までにトレードなどで獲得した選手も、一定の条件を満たせば候補にできるようになった点だ。従来よりも移籍対象の幅が広がり、2巡目の成立機会にも影響を与える変更となっている。
現役ドラフトは、出場機会に恵まれない選手に新しい環境を提供し、12球団全体の選手移籍を活性化させる制度だ。一方、年俸5000万円の規定やFA資格、複数年契約など、対象外になる条件は細かい。2025年の指名結果、細川成也や大竹耕太郎の成功例、候補リストが非公開である理由、12球団の2026年シーズン成績から読み取れる注目ポイントまで整理する。
【2026年最新情報】現役ドラフトは12月9日開催!今年のルール変更を解説
日本野球機構(NPB)は2026年10月14日、今年の現役ドラフトを12月9日(水)に実施すると発表した。
現役ドラフトは2022年12月に初めて開催され、2026年で5回目となる。新人選手を対象にする10月のドラフト会議とは異なり、すでにプロ野球球団と契約している選手を対象に、球団間の移籍を促進する仕組みだ。
なお、11月3日時点で正式に発表されている開催情報は日付が中心で、具体的な開始時刻については別途NPBの案内を確認する必要がある。会議は非公開形式で行われ、終了後に指名結果が公表される方式が採られてきた。
2026年最大の変更点はトレード加入選手の対象拡大今回の重要な変更は、現役ドラフトの対象外となる選手の基準を定めた規定第8条の修正だ。
従来は、前年10月以降にトレードなどで獲得した選手が、原則として翌年の現役ドラフトの対象外になっていた。
しかし2026年は、この除外基準が変更され、現役ドラフト開催年のシーズン終了後に契約譲渡によって獲得した選手を対象外とする考え方に改められた。
その結果、2025年のシーズン終了後から2026年7月31日までにトレードなどで加入した選手も、ほかの条件を満たせば候補リストに載せられるようになった。
つまり、2026年シーズン途中に別球団から加入した選手にも、さらに別の球団へ移籍する可能性が生まれたということだ。なお、7月31日は通常のトレード期限に関係する実務上の区切りであり、規定上の除外基準そのものはシーズン終了後の契約譲渡を基準としている。
NPBの保科求己法規室長は、変更の狙いについて次のように説明したと報じられている。
「対象範囲を広げることで2巡目を活性化させる狙いがある」
この変更は単に候補選手を増やすためだけではない。1巡目で獲得希望が集中しなかった選手にも、別の球団が獲得を検討する機会を増やし、2巡目の移籍成立につなげる狙いがある。
2026年の変更点と従来ルールの比較- 2025年まで:前年10月以降にトレードなどで獲得した選手は対象外となる扱いだった。
- 2026年:前年オフから7月31日までに獲得した選手も、ほかの条件を満たせば対象にできる。
- 引き続き対象外:前年の現役ドラフトで獲得した選手や、シーズン終了後に契約譲渡で加入した選手など。
- 2巡目:従来の参加意思の確認方法を踏まえ、移籍成立の機会を広げる運用が注目される。
2026年は出場選手登録人数も現行制度を維持する。来季の登録人数は31人、ベンチ入りは26人、外国人選手枠は登録5人・ベンチ入り4人と発表されている。
【対象選手の条件】年俸5000万円以上は対象外?除外される9項目を整理
現役ドラフトの対象になる基本条件現役ドラフトは、NPBの支配下選手であれば誰でも参加できる制度ではない。
基本的には、各球団が契約保留選手名簿に記載する選手の中から、規定に定められた除外条件に該当しない選手を選び、対象者として提出する。
各球団は原則として2人以上の対象選手をリストアップする必要がある。ただし、年俸に関する例外枠を利用する場合には、追加の人数条件が設けられている。
現役ドラフトの対象外になる9つの条件2026年の規定で対象外となる主な条件は以下の9項目だ。
- 外国人選手:外国人選手は対象外。
- 複数年契約選手:複数年契約を結んでいる選手は対象外。
- 来季年俸5000万円以上の選手:原則対象外。ただし例外枠がある。
- 過去にFA権を行使した選手:FA権を行使した経験がある選手は対象外。
- FA資格選手:FA資格を保有している選手は対象外。
- 育成選手:育成契約の選手は対象外。
- 前年の現役ドラフトで獲得した選手:2年連続で現役ドラフトによる移籍はできない。
- シーズン終了後の契約譲渡による獲得選手:開催年の年度連盟選手権試合終了の翌日以降に契約譲渡で獲得した選手は対象外。
- シーズン終了後に育成から支配下へ変更された選手:シーズン終了後に育成契約から支配下契約へ切り替えられた選手は対象外。
特に注意したいのが、FA資格の有無とFA権の行使歴は別の条件として扱われることだ。FA宣言をしていなくても、すでにFA資格を取得している選手は対象外となる。
年俸5000万円の規定には例外がある現役ドラフトで検索されることが多いのが、年俸5000万円の基準だ。
基本ルールでは、来季年俸が5000万円以上の選手は対象外となる。ただし、5000万円以上1億円未満の選手については、各球団1人まで例外的にリストアップできる。
この例外枠を使う場合には、5000万円未満の選手を2人以上追加し、合計3人以上をリストアップしなければならない。
例えば、ある球団が来季年俸7000万円の選手を候補に含める場合、5000万円未満の選手を最低2人加え、少なくとも3人の対象選手を提出する必要がある。
このルールは2023年に追加されたもので、年俸の高い選手ばかりが候補に並ぶことを防ぎ、出場機会の少ない選手に移籍の可能性を確保する意味合いがある。
候補リストが非公開なのはなぜ?現役ドラフトの候補リストは、開催前にNPBから一般公開されるものではない。
各球団は対象選手の氏名、ポジション、契約情報などをNPB事務局に提出する。規定上、契約情報には年俸やインセンティブ契約、メディカル情報なども含まれる。
その情報は12球団の代表者に共有され、秘密保持に関する規定も設けられている。選手の契約条件や身体状況など、一般公開に適さない情報が含まれることが、候補リストが非公開となる背景にある。
したがって、インターネットで公開されている「2026年現役ドラフト候補一覧」や球団別の候補予想は、球団が実際に提出した公式リストとは異なる。
対象条件を満たすことと、球団が実際に候補として提出することは別問題だ。年俸、FA資格、契約年数、球団の編成方針などを総合的に考える必要がある。
【指名の仕組みと2巡目】予備指名・指名順・参加条件を解説
1巡目は12球団が必ず1人ずつ指名する現役ドラフトの1巡目は、通常の新人ドラフトのようにシーズン順位の下位球団から指名する方式ではない。
最初に行われるのは予備指名だ。各球団は、ほかの11球団が提出した候補リストから獲得したい選手を1人選び、議長に通知する。
この予備指名で、自球団の選手に対する他球団からの獲得希望数が多い球団ほど、暫定指名順位が上位になる。
つまり、他球団から欲しいと思われる選手を多く提出した球団ほど、最初に選手を獲得できる可能性が高くなる仕組みだ。
実際の指名順はどう決まる?1巡目の指名は、次の流れで進む。
- 各球団が対象選手リストを提出する。
- 各球団が他球団のリストから獲得希望選手を1人選ぶ。
- 獲得希望数を集計し、暫定指名順位を決定する。
- 暫定指名順位1位の球団が、予備指名した選手を指名する。
- 指名された選手の所属球団に、次の指名権が移る。
- 同じ流れを繰り返し、12球団すべての指名が終了する。
指名予定だった選手がすでに指名されている場合などは、別の対象選手を指名する。指名先の球団がすでに指名を終えている場合には、暫定指名順位を使って次の球団を決める。
このような手順を経るため、予備指名の順位と最終的な指名順は必ずしも一致しない。
1巡目では12球団すべてから必ず1人が移籍し、同時に1人を獲得する。したがって、1巡目だけで最低12人の移籍が成立する。
2巡目は希望する球団だけが参加できる2巡目は1巡目と異なり、12球団すべてが必ず参加するわけではない。
2024年には広島東洋カープが北海道日本ハムファイターズの鈴木健矢投手を指名し、制度開始後初めて2巡目が成立した。
その後、2025年には2巡目の運用規定が変更された。1巡目終了後、各球団が次の3つから参加意思を通知する方式になった。
- A:参加(指名意思あり) 他球団から獲得したい選手がいる。
- B:参加(指名意思なし) 他球団から獲得したい選手はいないが、自球団の選手を移籍させたい。
- C:不参加 2巡目には参加しない。
これが2025年の大きな変更点だ。従来は他球団の選手を獲得する意思があることが参加の基本だったが、変更後は自球団の選手を他球団へ移籍させる目的だけでも参加できるようになった。
加えて、2巡目では球団の希望条件を踏まえて入札を行う。無条件で獲得を希望する方法のほか、支配下選手数が増減しない場合に限って獲得する条件を付ける方法もある。
2026年の開催発表では、第2巡目の指名順位についてパ・リーグ優先の扱いも示された。実際の成立には、参加球団の組み合わせや獲得希望条件が影響する。
2025年に変更された参加方法でも、同年の2巡目は成立しなかった。2026年はトレード加入選手の対象拡大も加わり、2巡目がどの程度活性化するかが大きな注目点となる。
現役ドラフトとFA・トレードの違い- 現役ドラフト:NPBの規定に基づき、12球団が対象選手を出し合って移籍を成立させる制度。1巡目は全12球団が必ず参加する。
- FA:選手が取得したFA権を行使し、本人の意思で他球団との契約交渉を進める制度。
- トレード:球団同士が選手の交換や譲渡について個別に交渉し、合意した場合に成立する移籍。
現役ドラフトは、選手本人が自由に移籍先を選ぶFAとは違う。また、球団同士の個別交渉で成立する通常のトレードとも異なる。
出場機会が限られている選手に新しい環境を提供するという目的は共通する部分もあるが、制度上の手続きや選手の意思決定の仕組みは明確に異なる。
【歴代移籍結果】2025年の指名選手一覧と2022〜2024年の全記録
2025年現役ドラフトの指名選手一覧2025年12月9日に実施された第4回現役ドラフトでは、12球団から合計12人が移籍した。
NPB公式の結果によると、1巡目で各球団が1人ずつ獲得した一方、2巡目は実施されなかった。
| 獲得球団 | 指名選手 | 前所属球団 | 守備位置 |
|---|---|---|---|
| 巨人 | 松浦慶斗 | 日本ハム | 投手 |
| ヤクルト | 大道温貴 | 広島 | 投手 |
| DeNA | 濱将乃介 | 中日 | 外野手 |
| 中日 | 知野直人 | DeNA | 内野手 |
| 阪神 | 濱田太貴 | ヤクルト | 外野手 |
| 広島 | 辰見鴻之介 | 楽天 | 内野手 |
| 日本ハム | 菊地大稀 | 巨人 | 投手 |
| 楽天 | 佐藤直樹 | ソフトバンク | 外野手 |
| 西武 | 茶野篤政 | オリックス | 外野手 |
| ロッテ | 井上広大 | 阪神 | 外野手 |
| オリックス | 平沼翔太 | 西武 | 外野手 |
| ソフトバンク | 中村稔弥 | ロッテ | 投手 |
2025年の移籍では、投手と外野手が目立った。特に、楽天から広島へ移籍した辰見鴻之介は、2026年シーズンに代走の切り札として大きく存在感を示している。
2022年・第1回現役ドラフトの結果制度が始まった2022年は、次の12人が移籍した。
- オリックス:渡邉大樹(ヤクルト)
- ソフトバンク:古川侑利(日本ハム)
- 西武:陽川尚将(阪神)
- 楽天:正隨優弥(広島)
- ロッテ:大下誠一郎(オリックス)
- 日本ハム:松岡洸希(西武)
- ヤクルト:成田翔(ロッテ)
- DeNA:笠原祥太郎(中日)
- 阪神:大竹耕太郎(ソフトバンク)
- 巨人:オコエ瑠偉(楽天)
- 広島:戸根千明(巨人)
- 中日:細川成也(DeNA)
この年の移籍で特に大きな成果を残したのが、細川成也と大竹耕太郎だ。両選手の活躍が、その後の現役ドラフトへの期待を高めるきっかけになった。
2023年・第2回現役ドラフトの結果2023年は次の12人が移籍した。
- 阪神:漆原大晟(オリックス)
- 広島:内間拓馬(楽天)
- DeNA:佐々木千隼(ロッテ)
- 巨人:馬場皐輔(阪神)
- ヤクルト:北村拓己(巨人)
- 中日:梅野雄吾(ヤクルト)
- オリックス:鈴木博志(中日)
- ロッテ:愛斗(西武)
- ソフトバンク:長谷川威展(日本ハム)
- 楽天:櫻井周斗(DeNA)
- 西武:中村祐太(広島)
- 日本ハム:水谷瞬(ソフトバンク)
この年は水谷瞬が日本ハム移籍後にブレーク。2024年には交流戦MVPを獲得する活躍を見せ、現役ドラフトの成功事例に加わった。
2024年・第3回現役ドラフトの結果2024年は1巡目12人に加えて、初めて2巡目の移籍が成立した。合計13人が移籍している。
- 巨人:田中瑛斗(日本ハム)
- ヤクルト:矢崎拓也(広島)
- DeNA:浜地真澄(阪神)
- 中日:伊藤茉央(楽天)
- 阪神:畠世周(巨人)
- 広島:山足達也(オリックス)
- 日本ハム:吉田賢吾(ソフトバンク)
- 楽天:柴田大地(ヤクルト)
- 西武:平沢大河(ロッテ)
- ロッテ:石垣雅海(中日)
- オリックス:本田圭佑(西武)
- ソフトバンク:上茶谷大河(DeNA)
- 2巡目・広島:鈴木健矢(日本ハム)
2022年から2025年までの4回で、移籍した選手は合計49人となった。内訳は2022年12人、2023年12人、2024年13人、2025年12人だ。
現役ドラフトの歴史を振り返ると、制度開始直後からスター選手が生まれた一方、移籍後も一軍定着に苦労する選手がいることが分かる。
【成功例を検証】細川成也・大竹耕太郎はなぜ移籍後に活躍できた?
細川成也:DeNAから中日へ移籍して主砲に成長現役ドラフトの成功例として、最も象徴的な存在が細川成也だ。
2016年ドラフト5位でDeNAに入団した細川は、長打力を期待されながらも、在籍時は一軍で継続的な出場機会を確保できなかった。
2022年の現役ドラフトで中日へ移籍すると、翌2023年に140試合へ出場。打率.253、24本塁打、78打点を記録し、レギュラーの座をつかんだ。
さらに2024年は143試合に出場し、打率.292、23本塁打、67打点をマーク。外野手としてベストナインにも選ばれた。
2025年も108試合で20本塁打を記録し、2026年は143試合、25本塁打、71打点という成績を残している。
DeNA時代に十分に発揮できなかった長打力が、中日では主力として生かされた。単に移籍しただけでなく、球団の起用方針と選手の特徴がうまく一致した事例といえる。
大竹耕太郎:ソフトバンクから阪神へ移籍して先発ローテーション入りもう一人の代表的な成功例が大竹耕太郎だ。
ソフトバンク時代は一軍登板の機会が限られ、2022年はわずか2試合の登板にとどまった。ところが、2022年の現役ドラフトで阪神へ移籍すると、状況は一変する。
2023年は21試合に登板し、12勝2敗、防御率2.26を記録。阪神のリーグ優勝と日本一に貢献した。
2024年も24試合で11勝7敗、防御率2.80を記録し、2年連続の2桁勝利を達成。2025年は9勝4敗、防御率2.85、2026年も7勝9敗、防御率2.74という成績を残した。
大竹の成功は、投手の能力だけでなく、先発ローテーションの空きや起用方針との相性が移籍後の成績に大きく影響することを示している。
水谷瞬・田中瑛斗・辰見鴻之介も移籍後に存在感現役ドラフトの成功例は細川と大竹だけではない。
2023年にソフトバンクから日本ハムへ移籍した水谷瞬は、2024年に97試合へ出場。打率.287、9本塁打、39打点を記録し、交流戦MVPに輝いた。
2024年に日本ハムから巨人へ移籍した田中瑛斗も、リリーフ投手として大きく成長した。2025年は62試合に登板して36ホールド、2026年は61試合で45ホールドポイント、防御率1.52を記録。2026年のセ・リーグではホールドポイント1位となった。
加えて、2025年に楽天から広島へ移籍した辰見鴻之介は、2026年に70試合へ出場。主に代走として起用され、シーズン28盗塁、そのうち代走で27盗塁というプロ野球記録を打ち立てた。2026年11月の侍ジャパンにも初選出されている。
辰見の事例は、現役ドラフトが必ずしもレギュラー打者や先発投手を生み出す制度ではないことを示す。特定の役割に特化した選手が、移籍先で明確な価値を発揮することも大きな成功なのだ。
移籍すれば必ず活躍できるわけではない一方、現役ドラフトで移籍した選手全員が一軍の主力になれるわけではない。
移籍先でも同じポジションの選手との競争があり、監督やコーチの起用方針、守備適性、故障の有無などが出場機会を左右する。
また、移籍直後から結果を求められる選手もいれば、ファームで調整を続けながら出番を待つ選手もいる。
制度の評価は、移籍した人数だけでは決まらない。移籍した選手が新天地でどのような役割を得たのか、数年間にわたって追うことが重要になる。
【12球団の候補予想】2026年の補強ポイントと注目したい選手像
候補予想は2026年シーズンのチーム成績から考える2026年の現役ドラフトでは、12球団それぞれの編成事情が候補選びに影響すると考えられる。
ここで重要なのは、現役ドラフトの候補選手は非公開であり、球団別の実名リストは確認できないという点だ。年俸や契約条件を満たす選手がいても、実際に球団が提出するとは限らない。
そこで、2026年のNPB公式戦チーム成績を基準に、各球団が求める可能性のある選手タイプを整理する。
セ・リーグ6球団の注目ポイント阪神タイガース:2026年は79勝62敗2分、防御率2.79でリーグ1位。投手力は高水準にあり、選手層の厚さから一軍で出番を得にくい控え選手や中継ぎ投手の移籍が注目される。獲得側としては、捕手や内外野のバックアップ要員が補強の選択肢になりそうだ。
読売ジャイアンツ:76勝64敗3分で2位だったが、チーム打率は.234、得点は486。投手陣の防御率2.80に対し、打線の底上げが検討材料になる。出場機会が限られる投手を放出し、複数ポジションを守れる野手や打力のある選手を求める展開が考えられる。
横浜DeNAベイスターズ:チーム得点は557でセ・リーグ最多。一方、投手陣の防御率は3.27で、与四球も446と多かった。制球力のある投手や複数イニングを任せられる救援投手が獲得候補のタイプとして浮かぶ。
広島東洋カープ:チーム打率.223、431得点、91本塁打と打撃面に課題が残った。長打力を備えた内野手や外野手が補強ポイントになりそうだ。2025年に辰見を獲得したように、特定の役割を担える選手の獲得も注目される。
東京ヤクルトスワローズ:防御率3.68、568失点は投手陣の課題を示す数字だ。ストライクを安定して取れる投手や、救援で複数の役割を担える投手が獲得候補のタイプとなる可能性がある。
中日ドラゴンズ:チーム打率.228、478得点。121本塁打を記録した一方、打線全体の出塁や得点力の底上げが課題となる。守備力に加えて出塁能力や走塁能力を備えた野手が注目される。
パ・リーグ6球団の注目ポイント福岡ソフトバンクホークス:91勝49敗3分でリーグ優勝。チーム打率.261、707得点、162本塁打と攻撃力も高かった。戦力が厚いだけに、他球団では一軍の戦力になり得る若手や控え選手が移籍候補として注目される。
埼玉西武ライオンズ:防御率2.87はパ・リーグ最良だった一方、得点は503、本塁打は109本。投手力を維持しながら、長打力や出塁能力を持つ野手を獲得する方向が考えられる。
北海道日本ハムファイターズ:177本塁打はパ・リーグ最多。攻撃面は強力だったが、防御率は3.38、失点は529だった。試合後半を安定させる中継ぎ投手や、左腕の救援投手が補強ポイントになりそうだ。
オリックス・バファローズ:チーム防御率3.96、605失点という数字から、投手陣の底上げが重要な課題となる。救援投手や先発候補など、即戦力として起用できる投手が注目される。
千葉ロッテマリーンズ:チーム打率.236、出塁率.295、防御率3.84。攻守の両面で改善の余地があり、出塁能力のある野手や投手層を厚くする選手が候補のタイプとして考えられる。
東北楽天ゴールデンイーグルス:58勝84敗1分でパ・リーグ6位。得点473、防御率3.63だった。長打力のある野手や捕手層の補強、左腕投手の獲得など、明確な役割を担える選手に注目したい。
2026年の候補予想を見るときの判断基準12球団の候補を考える際には、単純に一軍出場数が少ない選手を選ぶだけでは不十分だ。
- 出場機会:一軍で出場機会が減っていても、ファームで成績を残しているか。
- 年俸:来季年俸5000万円未満か、例外枠の対象になるか。
- 契約条件:複数年契約やFA資格などの除外条件に該当しないか。
- 球団事情:同じポジションに競争相手が多く、出場機会が限られていないか。
- 移籍先との相性:移籍先に不足している能力を補える選手か。
こうした条件を満たした選手の中から、各球団がどの選手を提出するかを判断することになる。ネット上の実名予想は、公式候補リストではなく、あくまで検討材料として捉えたい。
【プロ野球現役ドラフト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:現役ドラフト2026はいつ開催されますか?
A1:2026年12月9日(水)に開催されます。NPBが2026年10月14日に正式発表しました。
Q2:現役ドラフトの対象選手はどのように決まりますか?
A2:各球団が契約保留選手名簿に記載された選手の中から、外国人選手、複数年契約選手、FA資格選手、育成選手などの除外条件に該当しない選手を選びます。原則として2人以上のリスト提出が必要です。
Q3:年俸5000万円以上の選手は絶対に対象外ですか?
A3:原則は対象外ですが、5000万円以上1億円未満の選手は各球団1人まで例外的に候補にできます。その場合、5000万円未満の選手を2人以上含む合計3人以上のリストが必要です。
Q4:2026年はトレードで加入した選手も現役ドラフトの対象になりますか?
A4:なります。2025年のシーズン終了後から2026年7月31日までにトレードなどで加入した選手も、ほかの対象条件を満たせばリストに載せられます。
Q5:現役ドラフトの候補選手一覧は公開されていますか?
A5:球団が実際にNPBへ提出した候補リストは一般公開されていません。インターネット上の球団別候補一覧は、公開情報や推定年俸などから作られた予想であり、公式リストとは区別する必要があります。
Q6:現役ドラフトは2巡目まで必ず行われますか?
A6:いいえ。1巡目は12球団すべてが参加しますが、2巡目は希望する球団だけが参加します。2024年には広島が鈴木健矢を獲得して初めて成立しましたが、2025年は成立しませんでした。
Q7:現役ドラフトで移籍した選手は必ず出場機会が増えますか?
A7:必ず増えるわけではありません。細川成也や大竹耕太郎のように主力へ成長した例がある一方、移籍先のポジション争いや起用方針によって出場機会が限られるケースもあります。
2026年のプロ野球現役ドラフトは、12月9日(水)に開催される。今回の大きな変更は、前年オフから2026年7月31日までにトレードなどで加入した選手も、一定の条件を満たせば対象にできるようになったことだ。
年俸5000万円の例外規定、FA資格、複数年契約などの対象外条件は引き続き重要となる。また、2025年に変更された2巡目の参加方式と、2026年の対象範囲拡大がどのように組み合わさるかも見逃せない。
歴代の結果では、細川成也、大竹耕太郎、水谷瞬、田中瑛斗、辰見鴻之介など、移籍を機に新しい役割をつかんだ選手が生まれている。特に辰見の2026年の代走27盗塁という記録は、現役ドラフトが選手の可能性を広げる制度であることを印象づけた。
2026年の候補予想を確認する際は、年俸やFA資格などの制度上の条件と、各球団の補強ポイントを分けて考えることが大切だ。候補リストの非公開という性質を理解したうえで、移籍後にどの選手が新天地で活躍するのかに注目したい。
【プロの結論】
現役ドラフトの本当の価値は、移籍人数の多さではなく、埋もれていた選手が新しい球団で自分の能力を発揮できる環境を得られるかどうかにある。2026年はトレード加入選手の対象拡大によって候補の幅が広がった。12月9日の指名結果では、獲得した選手の実績だけでなく、移籍先がどのような役割を期待しているのかまで読み解くことが、制度を理解する最大のポイントになる。
主な確認資料:日本野球機構(NPB)の2022〜2025年度現役ドラフト結果、2026年開催・規定変更に関する発表報道、NPB公式年度別成績・チーム成績、球団公式選手成績。