織田裕二のモノマネ芸人といえば、「キター!」や「地球に生まれてよかったー!」の決めゼリフで知られる山本高広(やまもと・たかひろ)を思い浮かべる人が多いだろう。『踊る大捜査線』の青島俊作や『世界陸上』での織田裕二の熱いリアクションを再現し、2007年ごろから一躍人気者となったものまねタレントだ。
一方、2008年には織田裕二の所属事務所による「モノマネ禁止令」が報じられ、2人には共演NG説まで浮上した。しかし、2026年9月18日公開の映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』で、ついに山本高広と織田裕二の共演が実現。さらに織田本人もモノマネについて肯定的な考えを語っている。現在の芸人活動や声優としての仕事も含め、2人の関係がどう変化したのかを整理する。
【まず結論】織田裕二のモノマネ芸人は山本高広!プロフィールと代表ネタ
織田裕二のモノマネで知られる人物は、福岡県北九州市出身の山本高広だ。
1975年2月19日生まれで、2026年11月現在は51歳。俳優や政治家、タレントなど幅広い人物のものまねを得意とする。
山本高広公式サイトでは、自身を「芸人×声優」と紹介しており、織田裕二以外にもケイン・コスギ、浜田雅功、渡部篤郎、江口洋介など、多彩なレパートリーを掲載している。
特に有名なのが、次の3つのネタだ。
1.「キター!」
織田裕二が参天製薬の目薬「サンテFX」のCMで披露した絶叫を再現したもの。目薬を差してから一気にテンションを高める演出が特徴だ。
2.「地球に生まれてよかったー!」
2007年の世界陸上大阪大会に向けた告知CMで織田裕二が発した印象的なフレーズをもとにしたネタ。山本高広の知名度を大きく押し上げた。
3.「ずっちーな」
織田裕二が主演した1991年のドラマ『東京ラブストーリー』のセリフを取り入れたもの。山本自身が作った言葉ではなく、ものまね芸人のホリから元ネタを教えてもらったとインタビューで明かしている。
これらのネタに共通するのは、単に声を似せるだけではなく、本人特有の表情や声の張り、独特の間まで再現していることだ。
【ブレイクの経緯】「キター!」と青島俊作のモノマネはどう生まれた?
山本高広が最初からものまね芸人として活動していたわけではない。
実は、声優や俳優を目指していた時期があり、現在の芸風にたどり着くまでには下積み生活があった。
ものまね芸人になるまでの意外な経歴高校卒業後は調理師の専門学校に進み、見習いとして約2年半修業。その後、声優の専門学校に通い、俳優を目指して劇団にも所属した。
しかし、劇団を離れた後はアルバイト生活を経験する。
転機となったのは、コージー冨田らのものまねをテレビで見たことだった。幼少期から人の特徴をまねることが好きだった山本は、自分もものまねを仕事にできるのではないかと考えたという。
その後、ワタナベエンターテインメントのオーディションを受け、ショーパブやライブを中心に活動。人前でネタを披露する経験を積み重ねた。
2007年「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」でブレイク大きな転機となったのが、フジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』の人気企画「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」だった。
山本は、2007年の世界陸上大阪大会に向けた織田裕二の事前告知CMを見て、ものまねの題材として面白いと感じた。
実は、織田裕二のモノマネ自体は2001年ごろからレパートリーに入れていたという。
番組のオーディションでは、織田のモノマネを約12種類も披露。初出場ながら決勝進出を果たし、注目を集めた。
その後、「キター!」の目薬ネタが広く知られるようになり、『笑っていいとも!』などにも出演。ものまねタレントとして知名度を高めていった。
青島俊作のモノマネと世界陸上ネタが定番になった理由山本高広の芸を語るうえで欠かせないのが、織田裕二が演じた青島俊作だ。
『踊る大捜査線』の青島は、熱血漢でありながら親しみやすさも持つ刑事。独特の声の出し方や感情表現、勢いのあるセリフが印象的なキャラクターだ。
山本は青島のモッズコート姿や口調、表情などを再現し、作品の名場面をものまねとして披露してきた。
加えて、織田裕二が1997年から2022年まで25年間にわたって担当した『世界陸上』のメインキャスターも重要な題材となった。
競技への熱いリアクションや独特のコメントをものまねに取り入れたことで、ドラマを知らない視聴者にも山本の芸が伝わるようになった。
2022年の織田の最後の『世界陸上』では、山本自身もNumber Webのインタビューで、最後の「地球に生まれてよかったー!」に感動したと振り返っている。
【年表で整理】山本高広と織田裕二の関係・活動の転換点
2人の関係や山本の芸能活動を理解するには、2007年から2026年までの出来事を時系列で確認すると分かりやすい。
| 時期 | 出来事・活動 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2001年ごろ | 織田裕二のモノマネをレパートリーに加える | 早い時期から織田の研究を始めていた |
| 2007年 | 「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で注目 | 世界陸上関連の織田ネタでブレイク |
| 2008年7月 | 織田がモノマネについて発言 | 「笑えない」「心配になる」と報道 |
| 2008年12月 | モノマネ禁止令報道 | 所属事務所の要望が話題に |
| 2011年 | 織田がサンテFXのCMに15年ぶりに復帰 | 「キター!」の元ネタが再び話題に |
| 2022年 | 織田が世界陸上のメインキャスターを卒業 | 山本が最後の「地球に生まれてよかったー!」に反応 |
| 2022年 | Number Webで山本が関係性を語る | 禁止令報道の実情を説明 |
| 2025年3月 | YouTube「たかひーTV」を開設 | 自身の発信活動も展開 |
| 2026年4月・6月 | Netflix作品の吹き替えに参加 | 声優としての活動も継続 |
| 2026年9月18日 | 『踊る大捜査線 N.E.W.』公開 | 織田裕二との念願の共演が実現 |
| 2026年9月19日 | 山本高広のLINEスタンプ完成を告知 | 定番ネタをデジタルコンテンツ化 |
特に注目したいのは、2008年の騒動から2026年の映画共演まで、約18年の時間が流れていることだ。
山本は織田との直接的な交流がない時期にも、織田のモノマネを続けていた。2026年の共演は、長年続けてきた芸が本人との同じスクリーンでの共演につながった出来事となった。
【共演NG・モノマネ禁止令の真相】2008年に何が起きていた?
山本高広を検索すると、今でも「織田裕二との共演NG」「モノマネ禁止令」という言葉が出てくる。
この話には実際の報道に基づく背景がある。ただし、報道された内容と当事者が後年説明した内容には違いがある。
発端は2008年7月の織田裕二の発言2008年7月、織田裕二はドラマの制作発表会見で、山本のモノマネについてコメントした。
当時のJ-CASTニュースによると、織田は次のように発言している。
「僕は笑えない。見ていると、心配になっちゃいますよ」
この発言が報じられたことで、織田が山本のモノマネを快く思っていないという印象が広がった。
2008年12月に所属事務所の要望が報道されるさらに同年12月、週刊誌などが織田の所属事務所からテレビ局に対して、モノマネを扱う際の要望が伝えられたと報道した。
報道された文書には、織田のモノマネを番組企画で取り扱う場合、事務所の承諾を得るよう求める内容があったとされる。
また、本人の人格権や肖像権、名誉に関する懸念も示されていた。
この一連の報道が「モノマネ禁止令」という強い表現で広まったのである。
山本高広本人が2022年と2024年に明かした事情ここで重要なのが、山本本人による後年の説明だ。
2022年9月のNumber Webのインタビューで、山本は当時を振り返り、織田の所属事務所から伝えられた趣旨は、織田を傷つけるような発言に気をつければ問題ないというものだったと説明している。
しかし、その説明がテレビ局側に十分に伝わっていなかったため、出演するたびにモノマネをしてよいのか確認される状況が続いたという。
2024年10月のCHANTO WEBのインタビューでも、山本は同様の説明をしている。
つまり、山本本人の説明では、問題視されたのはモノマネそのものだけではなく、本人のイメージを損なうような表現や発言だった。
共演NG説は本当だったのか?もう一つ興味深いのが、織田本人と山本が長い間、直接会っていなかったことだ。
2022年のNumber Webのインタビューで、山本は織田とのニアミスについて語っている。
フジテレビで織田が『堂本兄弟』に出演していた際、山本は隣のスタジオでモノマネ番組を収録していたという。
織田が自分のネタを見に来てくれないかと期待したものの、実現しなかった。
また、山本は織田に会えたら、まずは挨拶できなかったことを謝りたいと話していた。
この経緯から分かるのは、2008年以降、両者の間に距離があったことは確かでも、正式な共演禁止契約や恒久的な共演NGが公表されていたわけではないということだ。
そして2026年、その関係性を大きく変える出来事が起きた。
【2026年ついに共演】映画『踊る大捜査線 N.E.W.』で何が起きた?
2026年9月18日の公開初日、映画の公式サイトが山本高広の出演を発表。織田裕二との共演シーンがあることも明らかになった。
山本は公式コメントで、長年の夢が実現した喜びを語っている。
「ついにきたーーー!」
「夢叶ったよ!夢って叶うんだよ!」
織田をはじめ、プロデューサーの亀山千広、脚本の君塚良一、監督の本広克行への感謝も伝えた。
山本高広の役はニセ青島?2026年10月2日公開のシネマトゥデイのインタビューでは、山本の出演シーンについて、さらに詳しい情報が明らかになった。
山本が演じるのは、青島俊作のモノマネをするニセ青島の一人だ。
劇中では、織田が演じる本家の青島の向かいに、山本が本人の芸風そのままで座るという、作品の世界観を利用したユニークな場面が登場する。
加えて、同じシーンには約30人の青島の格好をした人物も登場する。
単なるゲスト出演ではなく、山本の長年の持ちネタそのものを映画の演出に取り込んだ形だ。
織田裕二本人はモノマネをどう受け止めた?今回の共演で特に注目したいのが、織田本人の発言である。
2026年10月2日のシネマトゥデイのインタビューで、織田は山本の出演について、否定的な感情はないと説明した。
加えて、モノマネについて次のように語っている。
「愛があれば嬉しい」
基本的には自由にやってもらって構わないという姿勢も示した。
これは2008年の発言だけを知っている人にとって、印象が大きく変わるコメントだろう。
ただし、すべての商業利用や表現について包括的な許可を出したという意味ではない。今回の映画での共演と、織田本人が公に示した肯定的な姿勢を分けて理解する必要がある。
少なくとも、かつての「共演NG」というイメージをそのまま2026年に当てはめることはできなくなった。
【2026年最新】山本高広の現在は?声優・YouTube・ものまね活動
山本高広は、織田裕二のモノマネだけで活動しているわけではない。
現在はものまねタレントと声優の二つの分野で活動しており、本人の公式プロフィールにも声優出演歴が多数掲載されている。
声優としての代表的な出演作品これまでの主な出演作には、次のような作品がある。
- Netflix『梨泰院クラス』:オ・ビョンホン刑事役
- Netflix『ヴィンチェンツォ』:ナム・シンベ役
- Netflix『イカゲーム シーズン3』:キム・ムドン役
- アニメ『逃げ上手の若君』:市河助房役
- Netflix『ザ・リクルート』シーズン2:ヤヌス役
さらに2026年の公式プロフィールには、Netflix作品『猛襲』のグレッグ役、『チーム・ハズバンド』の警察署長役も掲載されている。
声優を志して専門学校に通っていた過去を考えると、現在の声優活動は単なる新しい挑戦ではなく、かつて目指した仕事を長い時間をかけて実現しているとも捉えられる。
YouTube「たかひーTV」も展開山本は2025年3月16日にYouTubeチャンネル「たかひーTV」を開設した。
テレビ番組への出演だけでなく、自身のチャンネルを通じてネタや活動を発信できる環境を持ったことも、現在の活動の特徴だ。
また、2026年9月19日には公式サイトで「山本高広のスタンプがきたー!」というLINEスタンプの完成を告知している。
「キター!」をはじめとする長年の定番ネタが、テレビや舞台だけでなく、日常的に使えるデジタルコンテンツにも展開されている。
山本高広の評判は?ものまねの魅力と評価される理由山本のものまねが長年支持されている理由は、単純な声の再現だけではない。
2023年のSmart FLASHのインタビューでは、山本自身がものまねの作り方について説明している。
本人が実際に話した印象的なフレーズを見つけ、その言葉を生かす構成を考えてネタを作るという。
つまり、山本の芸は実在するセリフの再現と、独自の見せ方を組み合わせたものだ。
特に織田裕二のモノマネは、本人の演技や発言をよく観察していることが伝わるため、元作品を知っている人ほど楽しみやすい。
2026年の映画共演に対しても、長年のファンから驚きや祝福の反応が寄せられたと報じられている。
一方で、ものまねは本人のイメージや作品への思い入れによって受け止め方が異なるジャンルでもある。誇張の強さを好む人もいれば、オリジナルの俳優の演技を大切にしたい人もいる。
山本の場合、2026年の映画出演によって、単なるモノマネ芸人という枠を超え、本人と作品の双方に関わる存在になったことが大きな変化といえる。
【よくある質問】織田裕二のモノマネ芸人・山本高広に関するFAQ
Q1:織田裕二のモノマネをしている芸人は誰ですか?
A1:山本高広です。「キター!」や「地球に生まれてよかったー!」、青島俊作のモノマネで知られています。
Q2:山本高広と織田裕二は共演NGだったのですか?
A2:2008年のモノマネ禁止令報道などから共演NG説が広まりました。しかし、山本本人は、織田を傷つけるような発言に気をつければよいという趣旨だったと説明しています。2026年には映画で共演が実現しました。
Q3:織田裕二は山本高広のモノマネを公認していますか?
A3:2026年10月のインタビューで、織田は愛情のあるモノマネを肯定する姿勢を示しました。映画でも共演しています。ただし、すべてのモノマネ表現や商業利用に対する包括的な許可が発表されたわけではありません。
Q4:山本高広の「キター!」の元ネタは何ですか?
A4:織田裕二が出演した参天製薬の目薬「サンテFX」のCMです。1991年から1996年までのCMで印象的なフレーズとなり、山本の代表ネタとして広まりました。
Q5:山本高広は現在も芸人を続けていますか?
A5:はい。ものまね芸人としての活動を続けながら、声優やYouTubeなどにも活動の幅を広げています。本人の公式サイトでも「芸人×声優」と紹介されています。
Q6:2026年の『踊る大捜査線 N.E.W.』ではどんな役を演じていますか?
A6:青島俊作のモノマネをするニセ青島の一人として出演しています。織田裕二演じる本家の青島と向かい合うシーンがあり、長年の夢だった共演が実現しました。
織田裕二のモノマネ芸人として知られる山本高広は、2007年のブレイクから約19年を経た2026年、ついに本人との映画共演を実現させた。
2008年のモノマネ禁止令報道は、織田の所属事務所からの要望と、テレビ局側への情報共有の不足が重なり、実際以上に強い禁止措置として広まった側面がある。
その後、山本は織田のモノマネを続けながら、声優としても実績を積み重ねてきた。そして2026年の『踊る大捜査線 N.E.W.』では、ニセ青島という役柄で本家の織田裕二と同じスクリーンに立った。
今回の共演が示しているのは、単なる過去の騒動の解消だけではない。ものまね芸人が長年研究し続けた人物や作品への敬意が、最終的に作品そのものに取り込まれたという、エンターテインメントとしても興味深い展開だ。
今後注目したいのは、山本高広が芸人と声優の二つの活動をどう発展させるか、そして『踊る大捜査線』シリーズで再び共演する機会が生まれるかどうかだ。
「キター!」から始まった山本高広の挑戦は、2026年に新しい節目を迎えている。
主な参照資料・報道