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下まぶたのものもらいはなぜできる?痛み・しこりの見分け方と治し方を徹底解説【2026年】

雪村 沙絵 雪村 沙絵 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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下まぶたに赤い腫れや白いできものができたり、まばたきのたびに違和感を覚えたりすると、「ものもらいかもしれない」と不安になる人は少なくありません。下まぶたにできるものもらいには、細菌感染によって起こる麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と、マイボーム腺の出口が詰まって生じる霰粒腫(さんりゅうしゅ)があり、原因や症状、適切な治療方法が異なります。

特に注意したいのは、痛みがないからといって放置してよいとは限らないことです。日本眼科学会の病気の解説によると、霰粒腫は痛みや赤みがほとんどないまま、まぶたにしこりが残ることがあります。一方、麦粒腫では赤みや腫れ、圧痛が目立ち、炎症が進むと膿がたまる場合もあります。2026年現在の医学情報をもとに、原因、見分け方、目薬による治療、自然に治るまでの期間、眼科を受診する目安を整理します。

【原因を解説】下まぶたにものもらいができるのはなぜ?

ものもらい下まぶた

ものもらいは、上まぶただけでなく下まぶたにも発生します。医学的には主に麦粒腫と霰粒腫に分類され、どちらもまぶたの分泌腺に関係する病気です。

1. 細菌感染によって起こる麦粒腫

麦粒腫は、まぶたにある皮脂腺や汗腺、マイボーム腺などに細菌が感染して起こる急性の炎症です。一般的に「ものもらい」と呼ばれる病気の代表例です。

原因菌にはブドウ球菌などがあり、まぶたの分泌腺や毛穴に細菌が入り込むことで炎症が生じます。

麦粒腫には、発生する場所によって次の2種類があります。

  • 外麦粒腫:まつ毛の毛根付近にある脂腺や汗腺に感染して発生するタイプ。
  • 内麦粒腫:まぶたの内部にあるマイボーム腺に感染して発生するタイプ。

下まぶたの内側に痛みや腫れがある場合は、内麦粒腫の可能性もあります。まつ毛の生え際に症状が見えないからといって、ものもらいではないとは判断できません。

2. マイボーム腺の詰まりによって起こる霰粒腫

霰粒腫は、まぶたの内部にあるマイボーム腺の出口が詰まり、分泌される脂質が内部にたまることで生じる炎症性のしこりです。

マイボーム腺は、涙の表面に油分を供給し、涙が蒸発しにくい状態を保つ役割を担っています。この出口が詰まると、脂質が内部に蓄積し、周囲の組織に肉芽腫性の炎症が起こります。

霰粒腫は、麦粒腫のような細菌感染が基本的な原因ではありません。そのため、赤みや痛みがほとんどなく、下まぶたに丸いしこりだけが残ることもあります。

日本眼科学会によると、霰粒腫は5mm以下の小さなものから1cmを超えるものまであり、上下どちらのまぶたにも発生します。

3. ものもらいができやすくなる要因

ものもらいの発生には、まぶたの状態や日常生活での目への刺激も関係します。

  • 汚れた手で目やまぶたを触る。
  • 目を頻繁にこする。
  • まぶたの縁に炎症が起きている。
  • マイボーム腺の出口が詰まりやすい。
  • 疲労や睡眠不足などで体調を崩している。

ただし、睡眠不足だけが直接の原因になるわけではありません。ものもらいは複数の要因が関係するため、生活習慣だけで原因を特定することはできません。

【症状と見分け方】下まぶたの赤み・腫れ・痛み・白いできものは何?

下まぶたにできものが現れたとき、症状の特徴を確認することは病気を理解する手掛かりになります。ただし、見た目だけで麦粒腫と霰粒腫を確定することはできません。

赤く腫れて痛みがある場合

下まぶたの一部分が赤くなり、押すと痛かったり、まばたきの際に違和感が出たりする場合は、麦粒腫が考えられます。

初期には小さな赤い腫れとして現れ、炎症が進行すると腫れや痛みが強くなることがあります。さらに化膿すると、腫れた部分に膿がたまる場合もあります。

炎症が強い場合には、下まぶた全体が腫れたり、目の周囲まで赤みが広がったりすることもあります。

痛くないのに下まぶたにしこりがある場合

下まぶたに小さな丸いしこりがあり、触ってもほとんど痛みがない場合は、霰粒腫の可能性があります。

霰粒腫の典型的な症状は、まぶたの内部にできるコロコロとしたしこりです。炎症が落ち着いた状態では、赤みや痛みが目立たないことも珍しくありません。

一方、霰粒腫でも炎症が強くなると赤みや腫れ、痛みが現れることがあります。そのため、「痛くないから霰粒腫」「痛いから麦粒腫」と単純に分類することはできません。

白いできものや白い点が見える場合

下まぶたの裏側やまつ毛の生え際に白い点が見える場合、麦粒腫によって膿がたまっている可能性があります。

また、まぶたの内側に白っぽいできものや小さな膨らみが見えることもあります。ただし、白いできもののすべてがものもらいとは限りません。

霰粒腫やその他の眼瞼疾患でも似たような見た目になることがあるため、白い部分を針や爪でつぶしたり、無理に押し出したりすることは避けてください。

下まぶたの症状から考えるチェックポイント
  • 赤みと圧痛がある:麦粒腫の可能性。
  • 痛みの少ない丸いしこり:霰粒腫の可能性。
  • 白い膿のような点がある:麦粒腫による化膿の可能性。
  • まぶた全体が大きく腫れている:炎症の広がりや別の病気にも注意。
  • 同じ場所に何度もできる:眼科で原因を確認することが望ましい。

【比較表】麦粒腫と霰粒腫の違いは?痛み・しこり・治療方法を比較

下まぶたにできものがある場合、特に重要なのが麦粒腫と霰粒腫の違いです。両者は見た目が似ていますが、発生する仕組みや治療方法には違いがあります。

比較項目 麦粒腫 霰粒腫
主な原因 分泌腺への細菌感染 マイボーム腺の出口の詰まり
主な症状 赤み・腫れ・痛み 丸いしこり・異物感
痛み 押すと痛むことが多い 通常は痛みが少ない
赤み 比較的目立ちやすい 通常は少ないが炎症時は赤くなる
白いできもの 膿がたまると白い部分が見えることがある 典型的にはしこりとして現れる
感染性 細菌感染による炎症 基本的に細菌感染が原因ではない
主な治療 抗菌点眼薬・眼軟膏・必要に応じて切開排膿 経過観察・消炎治療・必要に応じて手術や注射
経過 炎症が落ち着くと改善する しこりが吸収されるまで長期間かかることがある

この比較は、日本眼科学会の麦粒腫・霰粒腫の病気解説と、日本眼科医会が2025年10月30日の第31回日本眼科記者懇談会で示した資料を参考に整理したものです。

間違えやすいのは炎症性霰粒腫

麦粒腫と霰粒腫の判断を難しくするのが、炎症を伴った霰粒腫です。

霰粒腫は通常、痛みや赤みが少ない病気ですが、二次感染などによって急性の炎症が起こると、麦粒腫によく似た症状が現れます。

日本眼科医会の2025年の解説資料でも、急性霰粒腫は麦粒腫との鑑別が難しい場合があると説明されています。

また、日本眼科学会によると、麦粒腫として治療を始めた後に腫れが引き、しこりが明瞭になった結果、実際には霰粒腫だったと判明するケースもあります。

つまり、初期の見た目だけで判断するよりも、症状の変化や眼科での診察を重視することが大切です。

【治し方を解説】下まぶたのものもらいは目薬や市販薬で治る?

下まぶたのものもらいの治療は、麦粒腫なのか霰粒腫なのかによって異なります。どちらも同じ目薬で治せるわけではありません。

麦粒腫は抗菌目薬や眼軟膏で治療する

麦粒腫は細菌感染による炎症のため、眼科では症状に応じて抗菌薬の点眼薬や眼軟膏、内服薬などが使用されます。

膿がたまって自然に排出されない場合や、炎症が強い場合には、切開して膿を出す処置が検討されることもあります。

すべての麦粒腫に切開が必要なわけではなく、炎症の程度や膿のたまり方によって治療方針が決まります。

霰粒腫は経過観察や炎症を抑える治療が中心

霰粒腫は基本的に細菌感染ではないため、抗菌薬だけでしこりそのものが消えるとは限りません。

日本眼科学会によると、炎症が強い場合には抗菌薬や炎症を抑える薬で治療することがあり、しこりが大きい場合や長期間吸収されない場合には手術が検討されます。

症例によっては、しこりにステロイド懸濁液を注射する治療も選択肢になります。

小さなしこりで症状が軽い場合には、自然に吸収されるか経過を観察することもあります。

市販のものもらい用目薬を使用するときの注意点

ドラッグストアでは、ものもらいを効能・効果に含む市販の抗菌目薬が販売されています。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する一般用医薬品の添付文書にも、ものもらいや結膜炎を対象とする点眼薬が掲載されています。

ただし、市販薬を使用する場合には、次の点に注意してください。

  • 添付文書に記載された効能・効果を確認する。
  • 使用回数や用量を守る。
  • 点眼容器の先端をまぶたやまつ毛に接触させない。
  • 使用しても改善しない場合は眼科に相談する。
  • 強い痛みや急激な腫れがある場合は市販薬だけで対処しない。

特に注意したいのは、霰粒腫です。マイボーム腺の詰まりが原因であるため、抗菌目薬を使用しても内部のしこりが解消するとは限りません。

また、以前に処方された目薬を自己判断で再使用することも避けてください。ステロイドを含む点眼薬などは、病状によって使用の適否が変わります。

自宅でできるケアと避けたい行動

ものもらいが疑われる場合には、まず目を清潔に保ち、炎症のある部分を刺激しないことが基本です。

  • 目をこすらない。
  • 手を洗ってから目の周囲に触れる。
  • アイメイクは症状が落ち着くまで控える。
  • コンタクトレンズは症状に応じて使用を中止し、眼科に相談する。
  • 白い部分やしこりを自分でつぶさない。

霰粒腫では、清潔な温かいタオルをまぶたに当てる温罨法(おんあんぽう)が、詰まりを和らげる助けになることがあります。日本眼科学会も、温湿布によって皮脂腺の詰まりを和らげる方法を紹介しています。

ただし、熱すぎるタオルで皮膚を傷めたり、強く押したりするのは避けましょう。症状が強い場合や病名が分からない場合には、先に眼科で相談してください。

【自然に治る?】下まぶたのものもらいは何日で治る?人にうつる?

ものもらいは、種類や炎症の程度によって回復までの期間が異なります。自然に改善するケースもありますが、すべてが短期間で治るわけではありません。

麦粒腫は自然に治ることがある?

軽度の麦粒腫では、炎症が落ち着き、膿が自然に排出されることで症状が改善する場合があります。

一般的な経過として、数日から1〜2週間程度で腫れや痛みが軽くなるケースもありますが、これは一律の治癒期間ではありません。

炎症が強い場合や膿がたまっている場合には、改善に時間がかかったり、眼科での治療が必要になったりします。

霰粒腫は何日で治る?しこりが残る理由

霰粒腫は、赤みや腫れが落ち着いても、内部に形成されたしこりが残ることがあります。

日本眼科学会は、霰粒腫が自然に吸収されることは多いものの、吸収までに長期間を要する場合があると説明しています。

数週間から数か月かけて小さくなるケースもあり、炎症が引いたからといって、すぐにしこりまで消えるとは限りません。

しこりが大きくなる、長期間変化しない、同じ場所に繰り返し発生する場合には、眼科で診察を受けましょう。

ものもらいは人にうつる?感染性について

一般的な麦粒腫や霰粒腫は、通常の生活で人から人へ直接うつる病気ではありません。

麦粒腫は細菌感染によって起こりますが、インフルエンザやウイルス性結膜炎のように、通常の接触で周囲の人へ感染が広がる病気とは性質が異なります。

霰粒腫についても、基本的にはマイボーム腺の詰まりによる炎症であり、人にうつるものではありません。

ただし、目を触った手やタオルなどの衛生管理は大切です。また、強い充血や大量の目やにを伴う場合は、ものもらいではなく感染性結膜炎など別の病気の可能性もあります。

ものもらいだと思い込最初に、症状が異なる場合は眼科で確認してください。

【眼科を受診する目安】放置してはいけない下まぶたの症状

下まぶたの小さな腫れであっても、症状によっては早めの診察が必要です。特に、通常のものもらいとは異なる症状が現れた場合には注意してください。

早めに眼科を受診したい症状
  • 赤みや腫れが徐々に強くなっている。
  • 押さなくても痛みが続いている。
  • 膿がたまっているように見える。
  • 市販薬を使用しても改善しない。
  • しこりが数週間以上残っている。
  • 同じ場所に何度もものもらいができる。
  • 下まぶたの腫れが広範囲に広がっている。

特に痛みのないしこりでも、長期間改善しない場合には受診が必要です。

日本眼科学会は、霰粒腫に似た病気として悪性腫瘍などを挙げています。特に高齢者で治りにくいしこりがある場合には、脂腺癌などとの鑑別が重要になると説明しています。

急いで医療機関を受診したい危険な症状

次の症状がある場合は、一般的なものもらいだけでは説明できない可能性があります。

  • 急に視力が低下した。
  • 眼球そのものに強い痛みがある。
  • 目を動かすと痛む、または動かしにくい。
  • 物が二重に見える。
  • 眼球が前に出ているように見える。
  • 発熱や強い体調不良を伴い、目の周囲まで腫れている。

これらは眼窩蜂窩織炎など、目の周囲の深い組織に感染が及ぶ病気でも見られる症状です。該当する場合は通常の診察予約を待たず、救急対応が可能な医療機関を速やかに受診してください。

眼科ではどのような検査や治療をする?

眼科では、腫れの位置や大きさ、赤み、痛み、しこりの状態などを確認します。必要に応じて、まぶたの裏側や目の表面も詳しく観察します。

診察結果に応じて、抗菌点眼薬や眼軟膏、内服薬、炎症を抑える治療などが選択されます。

麦粒腫で膿がたまっている場合には切開排膿、霰粒腫でしこりが大きく長期間残る場合には切開や摘出、ステロイド注射などが検討されることもあります。

必ず手術になるわけではなく、症状や経過を踏まえて治療方法が決まります。

【よくある質問】下まぶたのものもらいに関するFAQ

Q1:下まぶたにものもらいができたら、何日で治りますか?

A1:麦粒腫は軽症であれば数日から1〜2週間程度で改善するケースがあります。一方、霰粒腫はしこりが残り、数週間から数か月かかることもあります。症状や大きさによって異なるため、長引く場合は眼科を受診してください。

Q2:下まぶたにしこりがあるのに痛くないのはなぜですか?

A2:痛みが少ない場合は霰粒腫の可能性があります。マイボーム腺の出口が詰まり、内部に脂質がたまってしこりを形成するためです。ただし、ほかの眼瞼疾患でも似た症状が出るため、自己判断は避けましょう。

Q3:下まぶたの裏側に白いできものがあります。ものもらいですか?

A3:麦粒腫によって膿がたまっている可能性があります。ただし、白いできものにはほかの原因も考えられます。無理につぶさず、眼科で確認してください。

Q4:ものもらいは市販の目薬だけで治せますか?

A4:市販の抗菌目薬には、ものもらいを効能・効果に含む製品があります。ただし、霰粒腫のようにマイボーム腺の詰まりが原因の場合は、抗菌目薬だけではしこりが解消しないことがあります。改善しない場合は眼科を受診しましょう。

Q5:下まぶたのものもらいは人にうつりますか?

A5:一般的な麦粒腫や霰粒腫は、通常、人から人へ直接うつる病気ではありません。ただし、感染性結膜炎など別の病気では感染することがあるため、強い充血や目やにがある場合は注意が必要です。

Q6:ものもらいを自分でつぶしても大丈夫ですか?

A6:自分でつぶすことは避けてください。まぶたを傷つけたり、炎症を悪化させたりするおそれがあります。膿がたまっている場合でも、必要な処置は眼科で判断してもらいましょう。

Q7:痛みがなくても眼科に行った方がよいですか?

A7:はい。痛みのないしこりでも、霰粒腫やその他の眼瞼疾患の可能性があります。大きくなる場合、長期間消えない場合、同じ場所に繰り返す場合は眼科で診察を受けてください。

下まぶたにできるものもらいには、細菌感染によって起こる麦粒腫と、マイボーム腺の出口が詰まって生じる霰粒腫があります。

赤みや腫れ、痛みが目立つ場合には麦粒腫、痛みの少ないしこりが残る場合には霰粒腫が考えられます。ただし、炎症性霰粒腫のように両者の症状が似るケースもあるため、見た目だけで確定することはできません。

軽い症状が自然に改善する場合もありますが、麦粒腫には抗菌薬による治療、霰粒腫には経過観察や炎症を抑える治療、必要に応じた処置が行われます。市販の目薬を使用する場合も、病気の種類に合っているかを確認することが大切です。

【プロの結論】下まぶたのものもらいで最も大切なのは、痛みの有無だけで判断しないことです。痛みがなくても長引くしこりには別の病気が隠れている可能性があり、強い痛みや視力低下などがあれば緊急性の高い疾患も考えられます。

腫れを自分でつぶしたり、市販薬だけで長期間対処したりするのではなく、症状の変化を確認しながら必要なタイミングで眼科を受診しましょう。原因に合った治療を受けることが、目の健康を守るための確実な第一歩です。

主な医学的根拠: 日本眼科学会の麦粒腫・霰粒腫の解説、日本眼科医会の2025年10月30日第31回日本眼科記者懇談会資料、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の一般用点眼薬添付文書。

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化粧品の全成分表示と製造販売元の公式資料、公的機関の効能評価を確認して記事化。体験談は取材了承を得た範囲でのみ引用し、効果を断定しません。

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