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【FAの理由】今永昇太はなぜ2026年オフにカブスを離れる可能性があるのか

雪村 沙絵 雪村 沙絵 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

今永昇太が2026年オフにFAとなる最大の理由は、カブスとの契約が1年契約で終了するためだ。本人が突然退団を希望した、あるいは球団から戦力外と判断されたという単純な話ではない。

2024年に結んだ4年契約と複雑なオプション条項

今永は2024年1月、横浜DeNAベイスターズからシカゴ・カブスに移籍し、保証総額5300万ドルの4年契約を結んだ。この契約には、2025年シーズン終了後に複数の選択肢が発生する仕組みが組み込まれていた。

2025年オフ、カブスは2026~2028年を対象とする3年総額5775万ドルの球団オプションを行使しなかった。これを受け、今永も2026年の1525万ドルのプレーヤーオプションを破棄。その後、球団から提示された1年2202万5000ドルのクオリファイング・オファー(QO)を受諾した。

この決断によって今永は2026年シーズンもカブスに残留。1年間の契約を終えた2026年オフ、再びFA市場に出ることになった。2025年11月18日のQO受諾はMLB公式サイトでも報じられている。

FAに至るまでの契約経緯
時期 出来事 契約上の意味 2024年1月 カブスと4年契約 保証総額5300万ドル 2025年11月 球団オプションを行使せず 3年5775万ドルの延長案が消滅 2025年11月 選手オプションを破棄 1525万ドルの契約を選ばずFAへ 2025年11月18日 QOを受諾 2202万5000ドルで2026年も残留 2026年10月29日 FAを選択 1年契約終了後に再び市場へ 2026年11月2日 他球団との交渉解禁 新天地との契約交渉が可能に

特に重要なのは、2025年に一度FAを経験している点だ。今永はQOを受け入れたことで、2026年の年俸を確保しながら、翌年に再びFA市場へ出る道を選んだ。

つまり、2026年オフのFAは突然発生したものではなく、前年の契約判断から続く計画的な契約上の流れである。

【2026年成績を比較】11勝10敗、防御率3.77は市場でどう評価される?

今永fa

今永の2026年シーズンは、2025年から投球回数と奪三振数を増やし、先発投手としての稼働能力を改めて示したシーズンだった。

MLB公式の選手記録によると、2026年は32試合に先発し、174回1/3を投げて11勝10敗、防御率3.77、174奪三振を記録している。WHIPは1.10だった。

2024年・2025年・2026年の年度別成績
年度 勝敗 防御率 投球回 奪三振 WHIP
2024年 15勝3敗 2.91 173回1/3 174 1.02
2025年 9勝8敗 3.73 144回2/3 117 0.99
2026年 11勝10敗 3.77 174回1/3 174 1.10

2024年はメジャー1年目から15勝を挙げ、防御率2.91という優秀な数字を残した。ナ・リーグのオールスターにも選出され、新人王投票でも上位に入った。

2025年は左太もも裏の張りによって5月から6月にかけて負傷者リスト入り。登板数は25試合、投球回は144回2/3にとどまった。防御率3.73と大崩れはしなかったものの、前年のような圧倒的な安定感を維持するには至らなかった。

2026年は32試合に先発し、174回1/3まで投球回を回復。奪三振も174個に戻している。3年目にして初めて30試合以上の先発登板を達成した点は、FA市場で評価される材料だ。

2026年の評価を左右する3つの数字




174.1


投球回


174


奪三振


3.77


防御率

プラス評価:年間を通じて先発を任せられる

32試合すべてに先発し、174回以上を消化した。先発ローテーションの一角として計算できることは、補強を必要とする球団にとって魅力的だ。

マイナス評価:被本塁打の多さ

2026年は35本塁打を許し、ナ・リーグで2番目に多かった。防御率3.77に対してFIPは4.47であり、被本塁打を減らせるかが今後の評価を左右する。

総合評価:先発2~3番手を期待できる左腕

エース級の大型契約を狙うタイプというより、年間を通してローテーションを支える実績ある先発として市場価値を持つ。

成績出典:MLB公式記録、FanGraphs、2026年シーズン終了時点。

今永のMLB通算成績

2024~2026年のレギュラーシーズン通算では、86試合、35勝21敗、防御率3.45、492回1/3、465奪三振、WHIP1.04となっている。

3年間の通算防御率が3点台前半に収まっていることは、短期間の好調だけで評価される投手ではないことを示す。一方、2025年と2026年に本塁打を多く許した点は、契約年数や保証額を決める際の懸念材料となる。

【2026-27年FA市場】今永昇太の市場評価と予想契約金額

2026-27年のMLBフリーエージェント市場では、今永は実績のある先発左腕として注目されている。ただし、市場の評価は必ずしも2024年の好成績だけで決まるわけではない。

2026年10月末に公開された米メディアのFAランキングでは、CBSスポーツが今永を全体30位の先発左腕として紹介した。評価のポイントとして挙げられたのは、奪三振能力、変化球の質、そして被本塁打の多さだった。

FA市場で評価される長所

今永の強みは、左投手であることだけではない。

  • 先発としての稼働実績:2026年は32試合に先発し、174回1/3を投げた。
  • 制球力:2026年の与四球は37個。174奪三振に対して四球が少なく、投球の組み立てができる。
  • 複数の決め球:高めのフォーシームに加え、スプリッターやスイーパーを使い分ける。
  • 年齢面:1993年9月1日生まれで、2027年開幕時は33歳。経験と残された稼働期間のバランスが取れている。

特に、先発投手の補強に苦労している球団にとって、シーズンを通して一定のイニングを任せられる点は大きい。

契約のマイナス材料は何か

最大の課題は、フライボール型の投球スタイルと被本塁打の関係だ。

今永のフォーシームは、リリース位置や角度を生かして打者の空振りを誘う一方、コースが甘くなると長打を許しやすい。2026年に35本塁打を許した事実は、球団が獲得を検討する際に無視できない。

FanGraphsも、今永を極端なフライボール型投手として分析している。外野フェンスが深い球場や、打球が伸びにくい環境であれば、持ち味を生かしやすいという評価だ。

予想契約は2年総額2800万~3750万ドルが一つの参考

FanGraphsの2027年FA選手ランキングでは、今永の契約予測について、専門家ベン・クレメンス氏の試算が2年総額2800万ドル。読者予測の中央値は2年総額3750万ドルとなっている。

これは球団から提示された正式オファーではなく、あくまで市場予測だ。実際の契約は、複数球団の競争、球場との相性、健康状態、2027年の投手補強需要によって変動する。

【移籍先候補】今永昇太を獲得する可能性がある5球団

2026年オフの移籍先を考えるうえで重要なのは、球団が先発投手をどれだけ必要としているか、そして今永の投球スタイルに合った本拠地を持っているかという2点だ。

米メディアのブリーチャー・レポートは、今永の移籍先候補として複数球団をランキング形式で紹介している。CBSスポーツも別の候補リストを公表しており、現時点では複数の球団が検討対象として挙げられている。ただし、いずれも獲得交渉や正式オファーが確認されたという意味ではない。



1.
有力候補として報道

ブリーチャー・レポートが移籍先候補の1位に選出。2027年に向けた先発ローテーションの再編が必要とされ、今永のような実績ある左腕を獲得する合理性がある。ペトコ・パークとの相性も注目点だ。



2.

ブリーチャー・レポートが候補に挙げた球団。本拠地オラクル・パークは投手に有利な環境として知られ、左腕の補強という面でも検討する余地がある。



3.

同じシカゴを本拠地とする別球団。若い野手陣を抱え、先発投手の補強が課題となる可能性がある。ブリーチャー・レポートが候補の一つとして挙げた。



4.

先発投手陣に経験豊富な選手を加えたい球団として候補に浮上。超大型契約ではなく、実績ある中堅投手を複数年で獲得する方針なら今永と条件が合う可能性がある。



5.

CBSスポーツが候補として挙げた球団。先発陣の補強という観点から、今永の経験と左投手としての特性が検討材料になる。



このほか、CBSスポーツはタンパベイ・レイズも候補に挙げている。ブリーチャー・レポートとCBSスポーツで候補が異なるのは、球団の補強事情や球場との相性をどう評価するかが違うためだ。

移籍先を見極めるうえでは、単に資金力のある球団を追うより、今永の被本塁打リスクを抑えられる球場を持ち、先発ローテーションの中核を必要としている球団に注目したい。

【カブス再契約の可能性】今永昇太はシカゴに残るのか

FAとなった今永にとって、カブスとの再契約も選択肢の一つだ。契約が終了したからといって、古巣との関係が切れるわけではない。

むしろカブスには、2026年の投手陣を支えた今永の実績を評価する理由がある。32試合の先発登板と174回1/3という数字は、先発投手のやりくりに悩む球団にとって価値がある。

カブス残留を後押しする材料

第一に、チームと選手の双方がすでに3年間の関係を築いていることだ。球団は今永の投球スタイル、調整方法、シーズン中のコンディションを把握している。新しい球団で環境に適応する時間を必要としないことは、双方にメリットがある。

第二に、カブスの先発陣には再編の余地がある。ブリーチャー・レポートは、ジャスティン・スティールの稼働状況や他の先発投手の不確実性を指摘し、今永の市場動向を球団が注視する可能性を伝えている。

再契約に慎重になる理由

一方、カブスが2025年オフに3年総額5775万ドルの球団オプションを行使しなかった事実は重い。球団は長期的な保証を避ける判断を一度下している。

2026年に成績が安定したとしても、被本塁打の多さやFIP4.47という指標を考慮すれば、複数年契約に対して慎重になる可能性がある。

ブリーチャー・レポートは、カブスを今永の移籍先候補の5番目に位置付けた。再契約の可能性を完全に否定していない一方、前年のオプション見送りを踏まえると、残留が確実視されているわけでもない。

したがって、カブス再契約の判断材料は、契約年数、年平均年俸、被本塁打への改善見通し、2027年のローテーション構想になる。今永側が複数年契約を優先するなら、他球団との条件比較が重要になる。

【FA交渉解禁日】2026年11月2日以降のスケジュールと注目点

2026年のMLBオフシーズンは、ワールドシリーズ終了後に本格化した。今永はMLB公式の取引履歴で2026年10月29日にFAを選択したと記録されている。

ただし、FA資格を得た日と他球団との契約交渉が解禁される日は異なる。ワールドシリーズ終了後の最初の5日間は、原則として所属していた球団との独占交渉期間となる。その期間が終わると他球団との交渉・契約が可能になる。

2026年は米東部時間11月2日午後5時に交渉が解禁された。日本時間では11月3日午前7時に当たる。11月3日現在、今永は他球団との交渉が可能なFA選手という段階にある。

2026年オフに確認したい重要日程
日程 内容
10月29日 今永がFAを選択
11月2日午後5時(米東部時間) 他球団との交渉・契約解禁
11月9~12日 MLBゼネラルマネジャー会議
11月17日前後 QO関連の回答期限など
12月1日 現行労使協定の期限

なお、今永は2025年にQOを受諾しているため、2026年オフに同じ制度で再びQOを提示される対象ではない。これは移籍を検討する球団にとっても意味がある。前回のようなドラフト指名権の補償を伴う獲得条件にはならないためだ。

また、2026年12月1日には現行の労使協定が期限を迎える予定だ。新たな協定をめぐる交渉が長引けば、オフシーズンの契約や球団運営にも影響する可能性がある。FA選手にとっては契約時期も判断材料になる。

【プロの結論】今永昇太のFAは移籍よりも契約条件と球場選びが焦点

今永昇太の2026年オフFAを評価するうえで、最も大切なのは、11勝10敗という勝敗だけで移籍価値を判断しないことだ。

2026年の174回1/3という投球回数は、先発投手としての安定した稼働能力を示している。174奪三振という数字も、メジャーで通用する球種と投球技術を維持していることの裏付けになる。

一方、35被本塁打という弱点は明確だ。2027年に向けて今永を獲得する球団は、投手の能力だけでなく、球場の特性や守備力も含めて判断する必要がある。

契約条件については、長期契約を最優先するより、2年程度の契約を軸に年平均年俸を確保する選択肢も考えられる。33歳という年齢と2026年の稼働実績を考えると、短期から中期の契約で双方がリスクを分担する形は合理的だ。

また、カブスとの再契約も十分に検討対象となる。球団が先発陣の安定を優先するのか、それとも長期的な若返りを優先するのかによって、残留の可能性は変わってくる。

今永のFAは、単なる退団ニュースではない。メジャーで3年間積み上げた実績を、次の契約でどのように評価してもらうかというキャリア上の重要な局面である。

【今永昇太のFA】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:今永昇太は2026年オフにFAになるのですか?

A1:はい。2026年10月29日にFAを選択したことがMLB公式の取引履歴に記録されている。11月2日午後5時(米東部時間)から他球団との交渉も解禁された。

Q2:今永昇太がFAになった理由は何ですか?

A2:2025年オフにカブスが3年5775万ドルの球団オプションを行使せず、今永も1525万ドルの選手オプションを破棄。その後、2202万5000ドルのQOを受諾して2026年を1年契約でプレーしたため、契約終了後に再びFAとなった。

Q3:今永昇太の2026年成績は?

A3:32試合に先発し、11勝10敗、防御率3.77、174回1/3、174奪三振、WHIP1.10を記録した。

Q4:今永昇太の移籍先候補はどこですか?

A4:米メディアが候補に挙げているのは、パドレス、ジャイアンツ、ホワイトソックス、ナショナルズ、エンゼルス、レイズなど。正式な獲得合意や移籍決定を意味するものではない。

Q5:今永昇太がカブスに再契約する可能性はありますか?

A5:ある。2026年に174回1/3を投げた実績は球団にとって魅力的だ。一方、2025年に球団オプションを見送った経緯や被本塁打の多さが、契約条件を決める際の懸念材料となる。

Q6:今永昇太のFA交渉はいつ解禁されましたか?

A6:2026年11月2日午後5時(米東部時間)。日本時間では11月3日午前7時で、所属球団以外との交渉も可能になった。

今永昇太は、2026年に11勝10敗、防御率3.77、174回1/3という成績を残し、先発左腕としての価値を維持した。10月29日にFAを選択し、11月2日以降は他球団との交渉も可能になっている。

移籍先候補としてはパドレスやジャイアンツなどが報道され、古巣カブスとの再契約も選択肢に残る。市場評価では、投球回数や制球力がプラス材料となる一方、被本塁打の多さが契約条件を左右する。

今後の最大の注目点は、どの球団が今永の投球スタイルを最も高く評価し、納得できる契約条件を提示するかだ。2024年の鮮烈なデビューから2026年の安定した先発実績まで、3年間の経験を次の契約にどう結び付けるのか。日本人左腕の新たな挑戦に注目したい。

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