2026年度の前期と後期では、異なる音楽性を持つ2組のアーティストが主題歌を担当している。まずは、曲名や放送開始日、音源の配信日を整理しておこう。
2026年前期『風、薫る』:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
曲名: 風と町
歌手:
放送開始: 2026年3月30日
配信開始: 2026年4月13日
『風、薫る』の主題歌は、Mrs. GREEN APPLEの書き下ろし楽曲「風と町」だ。
2026年2月10日、バンドの公式サイトが主題歌担当を発表。3月30日のドラマ放送開始に合わせて楽曲が初めて披露され、その後、4月13日にデジタル配信が始まった。
作品の舞台は明治時代。看護の世界に飛び込み、当時の社会の中で新しい道を切り開こうとする2人の女性を描く物語である。
主題歌の「風と町」というタイトルは、作品の舞台となる時代や人々の暮らしを連想させる。町は人の営みとともに変化する一方、風は時代を超えて吹き続ける。その対比が、長い時間を生きる人間の物語と重なる。
特に注目したいのは、朝ドラの主題歌が単に明るいオープニングを作るだけではなく、作品全体の時間軸や感情を表現する役割を持っている点だ。
2026年後期『ブラッサム』:YOASOBI「咲き誇れ」
曲名: 咲き誇れ
歌手:
放送開始: 2026年9月28日
初回配信: 2026年10月14日
2026年度後期の第115作『ブラッサム』では、YOASOBIが主題歌「咲き誇れ」を担当する。
ドラマは、作家・をモデルに、明治・大正・昭和を生き抜き、自由を求め続けた女性の人生を描く作品だ。主演は石橋静河。
主題歌は2026年9月28日の初回放送で初披露され、10月14日に配信リリースされた。
今回の制作で興味深いのは、YOASOBIのAyaseが宇野千代の生涯に向き合い、ゆかりの地や生家を訪れたうえで楽曲を書き下ろしたことだ。
加えて、楽曲の世界観を広げるため、YOASOBIとして初めてオーケストラによるレコーディングを実施。コーラスや手拍子、足踏みなども生録音にこだわったという。
制作に際しては、小説家の綿矢りさが関連する原作小説「桜(はな)の命は不滅なり」を書き下ろしている。音楽と文学の双方から宇野千代の人生に迫る企画になっている。
また、2026年11月3日には、主演の石橋静河とYOASOBIが出演する特別番組『連続テレビ小説「ブラッサム」主題歌ができるまで』もNHK総合で放送された。楽曲だけでなく、タイトル映像や振り付けなどの制作過程も取り上げられた。
2026年の2曲を比較すると何が違う?| 比較項目 | 風、薫る | ブラッサム |
|---|---|---|
| 放送時期 | 2026年前期 | 2026年後期 |
| 曲名 | 風と町 | 咲き誇れ |
| アーティスト | Mrs. GREEN APPLE | YOASOBI |
| 放送開始 | 3月30日 | 9月28日 |
| 配信開始 | 4月13日 | 10月14日 |
| 作品の背景 | 明治時代の看護と女性の生き方 | 宇野千代をモデルにした作家の人生 |
| 音楽上の特徴 | バンドによる歌唱曲 | オーケストラ録音を取り入れた楽曲 |
2作品に共通するのは、主題歌がドラマのために書き下ろされた点だ。一方、作品の背景や制作アプローチには違いがある。
なお、楽曲の配信日はドラマの放送開始日と同じとは限らない。主題歌を探す際には、番組の初回放送日と音源のリリース日を分けて確認したい。
【2025年の朝ドラ】あんぱん・ばけばけの主題歌も人気

2026年の楽曲を理解するには、直前の2025年度に放送された2作品も押さえておきたい。
『あんぱん』と『ばけばけ』では、知名度の高いアーティストだけでなく、それぞれの音楽的な個性が作品の雰囲気を作り上げた。
『あんぱん』RADWIMPS「賜物」
曲名: 賜物
歌手:
放送開始: 2025年3月31日
配信開始: 2025年4月18日
2025年度前期の『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしとその妻をモデルにした物語。主演は今田美桜、北村匠海らが出演した。
主題歌はRADWIMPSの「賜物」。2025年2月10日に担当が発表され、4月18日に配信がスタートした。
オープニング映像を担当したのは、VFXアーティスト・映像ディレクターの涌井嶺。歌詞のテロップを組み込んだ映像演出も特徴だった。
音楽だけでなく映像表現にも力を入れた作品であり、朝ドラのオープニングが作品の印象を左右する重要な要素であることが分かる。
『ばけばけ』ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
曲名: 笑ったり転んだり
歌手:
放送開始: 2025年9月29日
配信開始: 2025年10月1日
2025年度後期の『ばけばけ』は、小泉八雲と妻セツをモデルにした物語。髙石あかりとトミー・バストウが出演する。
主題歌を担当したのは、男女2人組の音楽ユニット、ハンバート ハンバート。楽曲「笑ったり転んだり」は、ドラマのために書き下ろされた。
この曲の制作過程には、朝ドラの主題歌がどのように生まれるのかを考えるうえで興味深いエピソードがある。
制作チームは、小泉セツが夫との生活を記した「思い出の記」を何度も読み、松江のゆかりの場所を訪問するなど、作品の背景をアーティストと共有した。
ハンバート ハンバート側も、セツの記録や松江の風景、撮影現場に触れながら楽曲を制作したという。
派手な演出や壮大なサウンドだけではなく、日々の生活に寄り添う音楽が作品の世界観と結びついた例だ。
【歴代一覧】NHK連続テレビ小説の主題歌とテーマ曲の変遷
朝ドラの音楽は、放送開始当初から現在のような歌詞付きの主題歌だったわけではない。
初期作品では、作曲家による器楽曲がオープニングを彩っていた。その後、歌手による主題歌が広がり、現在ではロック、ポップス、フォーク、合唱など、幅広いジャンルが採用されている。
ここでは、音楽の変化が分かる代表的な作品を放送開始年順に紹介する。
歴代の主な作品・主題歌の抜粋。放送開始年を基準に整理。
| 放送開始 | 朝ドラ作品 | 主題歌・テーマ曲 | 歌手・音楽担当 |
|---|---|---|---|
| 1961年 | 娘と私 | 娘と私 | 斎藤一郎(作曲) |
| 1966年 | おはなはん | おはなはんのテーマ | 小川寛興(作曲) |
| 1992年 | ひらり | 晴れたらいいね | DREAMS COME TRUE |
| 1994年 | 春よ、来い | 春よ、来い | 松任谷由実 |
| 2011年 | おひさま | おひさま〜大切なあなたへ | 平原綾香 |
| 2013年 | あまちゃん | あまちゃんオープニングテーマ | 大友良英 |
| 2013年 | ごちそうさん | 雨のち晴レルヤ | ゆず |
| 2014年 | 花子とアン | にじいろ | 絢香 |
| 2014年 | マッサン | 麦の唄 | 中島みゆき |
| 2015年 | あさが来た | 365日の紙飛行機 | AKB48 |
| 2016年 | とと姉ちゃん | 花束を君に | 宇多田ヒカル |
| 2018年 | 半分、青い。 | アイデア | 星野源 |
| 2020年 | エール | 星影のエール | GReeeeN |
| 2021年 | カムカムエヴリバディ | アルデバラン | AI |
| 2023年 | らんまん | 愛の花 | あいみょん |
| 2023年 | ブギウギ | ハッピーブギ | 中納良恵・さかいゆう・趣里 |
| 2024年 | 虎に翼 | さよーならまたいつか! | 米津玄師 |
| 2024年 | おむすび | イルミネーション | B'z |
| 2025年 | あんぱん | 賜物 | RADWIMPS |
| 2025年 | ばけばけ | 笑ったり転んだり | ハンバート ハンバート |
| 2026年 | 風、薫る | 風と町 | Mrs. GREEN APPLE |
| 2026年 | ブラッサム | 咲き誇れ | YOASOBI |
歴代の朝ドラ音楽を振り返るうえで注目したいのが、1992年放送の『ひらり』だ。
DREAMS COME TRUEの「晴れたらいいね」は、作品の雰囲気に寄り添う歌詞と親しみやすいメロディーで広く知られるようになった。
それまで器楽テーマが主流だった朝ドラに、人気アーティストの歌唱曲を組み合わせる流れを後押しした作品でもある。
1994年の『春よ、来い』では松任谷由実が同名の主題歌を担当。その後も中島みゆき、宇多田ヒカル、星野源など、世代を超えて知られるアーティストが起用されてきた。
器楽テーマも朝ドラ音楽の重要な歴史歌付き主題歌が増えた後も、器楽曲がなくなったわけではない。
2013年の『あまちゃん』では、大友良英が手掛けた軽快なオープニングテーマが使用された。歌詞がなくても、リズムや楽器の響きだけで作品の印象を作れることを示した代表例だ。
また、『おひさま』では渡辺俊幸が作曲したメインテーマに、後から岡田惠和が歌詞を付け、平原綾香が歌う「おひさま〜大切なあなたへ」が誕生した。2011年7月から歌唱版が土曜日のオープニングで使用された。
こうした歴史を踏まえると、朝ドラの主題歌を歌手名だけで探すのは不十分だ。作曲者、演奏者、歌唱者を分けて調べることも大切になる。
【違いを解説】朝ドラの主題歌・オープニング曲・テーマ曲・挿入歌とは?
朝ドラの音楽を調べると、「主題歌」「テーマ曲」「オープニング曲」「挿入歌」という言葉が登場する。
似た意味で使われることもあるが、厳密には役割が異なる。
主題歌とは?主題歌とは、ドラマの中心的なテーマや世界観を表現する楽曲だ。
歌詞があり、歌手が歌う作品が多い。『あんぱん』のRADWIMPS「賜物」や『ブラッサム』のYOASOBI「咲き誇れ」が代表例である。
主題歌には、登場人物の心情や作品のテーマを音楽で伝える役割がある。
オープニング曲とは?オープニング曲は、番組の冒頭で流れる音楽を指す。
歌唱曲の場合もあれば、楽器だけで構成された器楽曲の場合もある。
たとえば『あまちゃん』のオープニングテーマは器楽曲だ。歌詞がないからといって、朝ドラの主題となる音楽ではないという意味にはならない。
インストゥルメンタルのテーマ曲とは?インストゥルメンタルとは、基本的に歌詞を伴わず、楽器の演奏を中心に構成された音楽を指す。
朝ドラでは、ピアノ、弦楽器、管楽器、オーケストラなどを使用したテーマ曲が採用されてきた。
代表的な特徴は次の通りだ。
- 歌詞による説明がなく、旋律やリズムで作品を表現する。
- 登場人物の感情や物語の雰囲気を柔軟に演出できる。
- 演奏者や作曲家の個性が作品の印象に直結する。
ここは混同しやすいポイントだ。
主題歌は作品を象徴する中心的な楽曲で、オープニングなどで使用されることが多い。一方、挿入歌はドラマの途中に流れ、特定の場面や登場人物の感情を演出するために使用される。
例えば『あまちゃん』には「潮騒のメモリー」という劇中歌が登場する。これはオープニングテーマとは別の楽曲である。
音楽の種類を簡単に整理
主題歌
ドラマのテーマを象徴する歌唱曲など。
オープニング曲
番組冒頭で流れる音楽。歌唱曲・器楽曲の両方がある。
インストゥルメンタル
歌詞のない器楽演奏を中心とした音楽。
挿入歌
ドラマの途中で流れ、特定の場面を演出する楽曲。
主題歌と挿入歌は、同じ作品で使われていても別の楽曲である場合が多い。サウンドトラックを購入するときも、収録内容を確認することが重要だ。
【制作秘話】なぜ朝ドラの主題歌は作品の印象に残るのか?
朝ドラの主題歌には、一般的なドラマの主題歌とは少し違う特徴がある。
それは、長期間にわたって毎朝繰り返し視聴者の耳に届くことだ。
多くの作品では、半年ほどの放送期間を通して同じオープニング音楽が使用される。そのため、楽曲と登場人物、物語の展開が結びつきやすい。
作品の資料や舞台を調べてから楽曲を作る2026年の『ブラッサム』では、YOASOBIのAyaseが宇野千代の人生やゆかりの地に触れながら楽曲を制作した。
関連する小説も書き下ろされ、オーケストラ録音を取り入れるなど、楽曲の完成までに複数のクリエイターが参加している。
これは、主題歌を単独の音楽作品として制作するだけではなく、ドラマの背景を共有したうえで映像や物語と一体化させるアプローチだ。
アーティストの普段の音楽性を作品に生かす『ばけばけ』のハンバート ハンバートも興味深い事例だ。
制作チームは、セツの記録や松江の風景を手掛かりに、アーティストと作品の世界観を共有した。
ハンバート ハンバートがこれまで表現してきた日常に寄り添う音楽性と、ドラマが描く夫婦の暮らしが結びついたことで、「笑ったり転んだり」が生まれた。
このように、主題歌の制作では、アーティストの知名度だけでなく、作品との相性も重要な要素となる。
主題歌の配信日が放送開始日より遅い理由朝ドラの主題歌を探す人が注意したいのが、配信開始日だ。
2025年から2026年にかけての4作品を比較すると、次のようになる。
- 『あんぱん』:3月31日放送開始、4月18日配信
- 『ばけばけ』:9月29日放送開始、10月1日配信
- 『風、薫る』:3月30日放送開始、4月13日配信
- 『ブラッサム』:9月28日放送開始、10月14日配信
いずれも放送開始後に音源の配信が始まっている。
放送で聴いた曲をすぐにフルで聴きたい場合は、アーティストの公式サイトやレーベルのリリース発表を確認するとよい。
また、テレビのオープニング用に編集された音源と、配信されるフルバージョンでは長さや構成が異なることもある。
【失敗しない探し方】昔の朝ドラ主題歌を曲名・歌手から調べる方法
昔見た朝ドラの主題歌を探すとき、曲名が分からなくても作品名や放送時期から調べられる。
おすすめの探し方は次の3つだ。
1. 放送された年代から探す
1990年代、2000年代、2010年代など、大まかな年代を絞る。『ひらり』や『春よ、来い』のように、作品名と楽曲が結びついている場合は見つけやすい。
2. アーティスト名から探す
米津玄師、宇多田ヒカル、RADWIMPS、YOASOBIなど、担当アーティストが分かっている場合は、アーティスト名と「朝ドラ主題歌」を組み合わせて検索する。
3. 歌がない場合は作曲家や演奏者から探す
器楽曲の場合は歌手名が存在しないこともある。
大友良英、渡辺俊幸など、作曲家名を加えて調べると目的の音楽にたどり着きやすい。
特に注意したいのは、同じ作品に複数の音楽が存在するケースだ。オープニングテーマ、劇中歌、サウンドトラック収録曲を区別すると、探している曲を間違えにくい。
【よくある質問】NHK朝ドラ主題歌に関するFAQ
Q1:2026年最新の朝ドラ主題歌は何ですか?
A1:2026年度前期『風、薫る』はMrs. GREEN APPLEの「風と町」、後期『ブラッサム』はYOASOBIの「咲き誇れ」です。2026年11月時点では、どちらも放送が始まっています。
Q2:朝ドラ『ブラッサム』の主題歌はいつ配信されましたか?
A2:YOASOBIの「咲き誇れ」は2026年10月14日に配信リリースされました。ドラマの初回放送日は9月28日です。
Q3:朝ドラ『風、薫る』の主題歌は誰が歌っていますか?
A3:Mrs. GREEN APPLEです。楽曲名は「風と町」で、2026年4月13日に配信が始まりました。
Q4:朝ドラの主題歌とテーマ曲は同じ意味ですか?
A4:日常的には近い意味で使われますが、テーマ曲には歌詞のない器楽曲も含まれます。歌唱曲だけが朝ドラのオープニング音楽というわけではありません。
Q5:朝ドラの主題歌と挿入歌はどう違いますか?
A5:主題歌は作品を象徴する楽曲で、オープニングなどに使用されます。挿入歌はドラマの途中で流れ、特定の場面や登場人物の心情を表現します。
Q6:昔の朝ドラの主題歌を調べるにはどうすればよいですか?
A6:作品名と放送年代を手掛かりに、NHKの番組情報やアーティストの公式ディスコグラフィーを確認する方法がおすすめです。器楽曲の場合は作曲家名や演奏者名も調べると見つけやすくなります。
2026年のNHK朝ドラ主題歌は、前期『風、薫る』のMrs. GREEN APPLE「風と町」、後期『ブラッサム』のYOASOBI「咲き誇れ」が大きな注目ポイントだ。
2025年の『あんぱん』ではRADWIMPS「賜物」、同年の『ばけばけ』ではハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」が採用され、作品ごとに異なる音楽表現が展開されてきた。
歴代作品を振り返ると、1992年の『ひらり』以降に歌付き主題歌の存在感が高まり、その後も器楽テーマを含めた多様な音楽が朝ドラを支えてきたことが分かる。
朝ドラの音楽を楽しむ際に押さえたい要点は3つある。
- 曲名と歌手をセットで覚えること。
- 放送開始日と配信開始日を区別すること。
- 主題歌・器楽テーマ・挿入歌を混同しないこと。
朝ドラの主題歌は、放送が終わった後も、その作品を思い出すきっかけになる。2026年の新曲を楽しみながら、かつて夢中になった作品のテーマ曲も聴き直してみると、当時の物語や登場人物の姿がよみがえってくるはずだ。